果たして実相寺昭雄監督は「前衛芸術映像派」だったのか?

佐々木守
実相寺昭雄
高野宏一

「たった今、パリ本部から、特別な任務を負った隊員・アンヌが到着した」

「本部隊員、アンヌ・モーハイムです」

「お待ちしてました、ようこそ。ハヤタ、急に君をパリに派遣することになった。本部からの要請だ、特別な任務だ。選ばれた者の栄光もある。君は国際宇宙開発軍のロケット操縦の技術指導として、しばらくパリへ行ってくれ。しっかり頼むぞ! 極東支部の名誉にかけて!」

「即日、ハヤタ隊員はパリへ向けて出発した」

「なぜかハヤタが出発した直後に、奇妙な事件が頻発した」

「……最初は電離層の変動だと思ったんですが、電離層には全く異常はありません。受信装置に故障はないし……人工衛星からの電波も受けることが出来ません。おそらく、何者かによって電波が妨害されていると思いますが……」

「おいあれを見ろ! アンヌじゃないか? ハヤタと一緒にパリへ立ったはずだが……」

「恐ろしい発明です。電波を狂わすヘリチウム磁力光波を出す機械だ。この機械で東京一円の電波が妨害されるのですから……。しかし不思議だ……このゲルマタント鉱石は、地下4000mにあると推定されている物なんですが。しかし一体誰がこれを特捜隊に……」

「キャップ、ひょっとしたらあの本部から来たアンヌという女が……。最近科特隊に足を踏み入れたのは、あのアンヌという女だけでしょう?」

「このライターほどの小型機械のおかげで、東京の電波は一次混乱をきたした。そして電波が回復した時、ビートルとの連絡は途絶えていた……。ハヤタはどうなったのか? 一体なんの目的でこの機械が置かれたのか? その頃。行方をくらませたハヤタ隊員はどこに居たのか? 夢とも……幻ともつかぬ、怪しい現実の中に、ハヤタは彷徨っていた」

「アンヌ隊員! 何をしている! ハヤタはどうした!」

「こちらイデ! こちらイデ! 怪獣が現れました! 女はアンヌではありません!」

「あっはっはっは!」

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