No.235 RAH 1/6 ウルトラセブン 2005年7月 13440円 30cm
メディコムのRAHでの、ウルトラシリーズの展開は、既に2004年、オオツカ企画と同時期に、バルタン星人と初代ウルトラマンAタイプから始まっており、この辺り、バンダイがメディコムのビジネスの好調を脇で見ながら自社内で立ち上げたプロジェクト「ウルトラの星計画」が、2000年にウルトラマンティガを、2001年に初代ウルトラマンを発売しつつ、やはりここでも「スーツのリアリティと関節の保持力」で散々苦汁をなめさせられた挙句、その後2006年に「帰ってきたウルトラの星計画」としてウルトラマンマックスが発売されるも、事実上は2001年の段階でバンダイは「自社の商品では採算が合わない」との結論を出しているため、同種のフィギュアでは一日の長がある、メディコムやオオツカ企画に、同時に商品化権が降ろされたのではあるまいか?
その後、メディコムのRAHシリーズでのウルトラは、ダダやゼットン、ジャミラなどの人間型怪獣、宇宙人や、ウルトラマンのバリエーションとしてのゾフィ等を発売展開しつつ、2005年7月、前月のメトロン星人を露払いに、ウルトラセブンVer.1が発売されたのである。
しかし、オオツカ企画もマーミットも、そしてこのメディコムでさえ越えられないハードルが、このジャンルのフィギュアにはあったのである。
その弱点は「スーツの脆弱性。及び経年劣化」である。筆者も各メーカーの商品を幾つも購入したが、購入から数年経っても、スーツが無事でいる商品はごく稀であり、特に合皮製スーツのキャラフィギュアなど、箱を開けてスーツを着せた瞬間から破けたり、裂けたりしていることなど日常茶飯事。この手のフィギュアを買う時は「そうなる覚悟」もワンセットで買ったつもりでないと、怒ったところで対応策はないという致命傷的な弱点があるのだ。
よって、このウルトラセブンも例に漏れず、発売当初から「スーツを着せたらすぐ脇が裂けた」「背中のファスナーを閉めようとしたらスーツが敗れた」報告の事例が後を絶たず、その頃にはもう、筆者は初期のラインナップの経年劣化ですっかりこの商品シリーズに絶望していたので、最初からこのウルトラセブンも買っていなかった。
なお、イマドキのフィギュアは、大手バンダイでも、技術力の躍進と共に、VerUPしてリメイクされるのがお馴染みになっているが、それはこのシリーズでも言える事。メディコムからは2010年11月に、No.510でウルトラセブンVer.2が17640円で発売。Ver.2では、まるでマーミットの仇討のように、スーツを軟質ソフビにすることで、スーツの質感を限りなくウェットスーツに近づける手法を再開拓した。
筆者としては、このシリーズを悪し様に言いたくはないのだが、まずはそうして、問題が(メーカーを問わず)多々発生する商品枠であること。その上で、1/6でヒーローや主人公は揃えられても、絡ませられる怪獣や宇宙人がほぼないこと。メディコムのウルトラ展開が本格的になる頃には、筆者はまだ『光の国から愛をこめて』に手を付けていなかったこと。等が挙げられる。
とりあえず、「ソフビを含めてもそれなりの敵怪獣・宇宙人ラインナップが揃えられる事」「同じフォーマットで昭和ウルトラマンが揃えられる事」「保管や撮影に、場所を取られ過ぎない事」等が必須であるとの理由から、今回紹介した三社のフィギュアは、メインでは使用しないことに決めた。
というか自分の中では順序が逆で「このフィギュアシリーズがあるのなら、ソフビと絡めながら殆どのウルトラのシリーズの再現特撮が作れる」と、思い立ったのが先であり、その玩具ありきの『光の国から愛をこめて』であったのだ。
次回からは、その「『光の国から愛をこめて』を思い立たせてくれた商品」を含めて、2004年からウルトラシリーズアクションフィギュアのメインストリームを飾ることになった、3種の「ディテール関節型」で同一サイズのウルトラセブンフィギュアを、順を追って紹介してみたい。