HGUCの側のインフレ

一方「MGほど肩に力を入れず、アニメ版準拠デザインでコレクション性を優先で」で始まったHGUCではあるが、こちらはこちらで、やはり様々なインフレを起こし始める。
今も書いたように、MGの技術がすぐにフィードバックされてくる新規商品開発状況では、日進月歩でHGUCも、クオリティと価格がインフレを起こし始めた。
しかも、2017年現在で、MGのラインナップは栄光の200番になんのモビルスーツが選ばれるかを待っている状態だが、HGUCの方はその200番を2016年に『Zガンダム』の百式で迎えたばかりと、既に商品点数に差はなくなってきており、もはや大きさ以外にはカテゴリの差別化は図られてないといっていい。

なので、HGUCも、初期はシールで誤魔化していた塗装区分けやカメラアイ等の部分も、近年では、当然別パーツやクリアパーツで成型するようになってきた。
そうなると、初期のHGUCで発売された、ガンキャノンやギャン、ガンダムやグフ、キュベレイなどは、人気の高低差はあるが、投入された技術的には最新のモデルと並べるには無理が出てきてしまうので、ここでバンダイ得意の「Ver.2商法」が出てきたのである。

「Ver.2商法」とは、読んで字のごとくではあるが、フィギュアやプラモデルのシリーズが続いて、商品化できるキャラの残りが少なくなり始めつつも、技術が高まってきたタイミングで、初期の技術不足だった頃のアイテムを、最新の技術で改めてリファインした新規商品を出すことで、事実上、永遠にその作品のビジネスが続けられるという錬金術のようなビジネス概念である。

ネーミングの元ネタは90年代のIT世界のソフトウェアやOSのVer.違いからであるが、ガンプラではMGで結構初期の2000年に、ガンダムが「Ver.1.5」が作られ、そこで市民権を得たこの商法で、その後MGでは2005年に『Zガンダム』から、ガンダムMk-Ⅱ Ver.2.0とZガンダム Ver.2.0がほぼ同時に発売。その後もザク、ゲルググ、ガンダム、ジムと、「Ver.2商法」がポジティヴに展開された。

同じ現象はHGUCにも当然言えて、しかしこちらでは、さすがに「Ver.2」を名乗らせるのは芸がないと思ったのか、あえて「再生する」の英単語「REVIVE」を用いて、ガンキャノン、ガンダム、ギャン、キュベレイ、百式(これがHGUC200番)、グフなどを“再生”するビジネスに繋げている。

ただし、HGUCの方も単価は上がっていて、初期は1000円未満のアイテムもあった枠だったが、今では2000円弱近辺が当たり前の価格帯商品になっていて、そうなるとやはりマニアの評価も厳しくなってしまう。

アムロ「! や、やってやる! やってやるぞォー! 新型のモビルスーツが何だ!」
アムロ「……う……?」
ランバ・ラル「ザクとはちがうのだよ。ザクとは」
アムロ「こ、こいつ! ……違うぞ! ザクなんかと装甲もパワーも……」
アムロ「に、逃げられた?……と、いうより……見逃してくれたのか?……」

最終的に40周年を迎えたガンプラが辿り着いたビジネスとは?
次回「『シン・機動戦士ガンダム論!』第15回『ガンプラを語り尽くせ!・7』」
君は、生き延びることができるか。

(フィギュア再現画像特殊効果協力 K2アートラクション)

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