カップリングの「妙味」アレコレ カップリングを見つけ出せ!
上記で分かるように、2022年現在、最もクオリティの高いウルトラマンアクションフィギュアは、S.H.Figuartsという仮説に基づくと、カップリングで最も適したサイズの怪獣の多くは、旧バンダイソフビの歴史の中に眠っているという仮説が成り立つ。
実際、その多くは「S.H.Figuartsと旧バンダイソフビ怪獣」という組み合わせでスケール感が一致し、オモ写作成に於いてもベストバランスをもたらしてくれる。
それゆえに、怪獣版S.H.Figuarts等も展開されたが、そこから漏れた、ベムラーやジェロニモン、ボーグ星人や恐竜戦車、キングザウルス三世やタイラント等は、既に店頭から消えた、旧バンダイソフビを探し出していくしかない。
しかし、文字通り旧バンダイソフビは、1983年の商品展開開始からはもうすぐ40年、商品展開終了の2013年からも、もうすぐ10年が経つ。
ニュージェネウルトラマン怪獣は、DX枠で旧サイズも買えるが、昭和ウルトラマンファンで、S.H.Figuartsでオモ写を作りたいという人は、歴史を遡って探し出すしかないのが現状なのである。
だからといって、全てのウルトラヒーローと怪獣の組み合わせが、上記の三種の組み合わせで成り立つとは限らない。
怪獣ソフビの歴史も半世紀を越えている。
その中で、生み出された怪獣も、決してエレキングやゴモラ、レッドキングのように、首の上に頭部があって腕があり、二本足で立って長い尻尾があるとは限らない。
その歴史の中では、様々な大きさ、形態の怪獣が産み落とされて、ソフビ化もされている。
それらすべてが一律の組み合わせで、ルール統一されているわけではない。
何度も言うが、ソフビでレギュレーションになっているのは、スケールではなくサイズなので、巨大な姿やシルエットの怪獣は、商品化されればスケールは逆に小さくなるのだ。
なので、怪獣の着ぐるみの大きさと商品サイズ設定によっては、組み合わせにねじれが生じてくるのを探し出すのも大事なミッションなのだ。
例えばこの「クレージーゴンVSウルトラセブン」の対決は、クレージーゴンは旧バンダイソフビだが、元の着ぐるみが大きく、そのシルエットを活かすため、右手のアームのボリュームを変えずに商品化したため、かなり他のソフビよりも怪獣ソフビのスケールとしては小さくなってしまった。そのため、このクレージーゴンと対峙できるアクションフィギュアのウルトラセブンとなると、掌動のウルトラセブンが最適解になってくる。
また、逆のパターンもある。
これは、既に本サイトで『ウルトラセブン』『魔の山へ飛べ!』の1コマとして紹介した一枚で、円盤のナースがセブンを襲う1カットだが、セブンはアクションヒーローで旧バンダイ版サイズなのだが、ここで直接絡んでいる円盤ナースは、実はサイズがダウンされた、現行バンダイソフビの円盤ナースの商品をそのままに、合成もせずに一発撮りで作ったオモ写である。
『魔の山へ飛べ!』インターミッションでも述べたが、旧バンダイ版では竜の形態だったナースのソフビと、現行バンダイソフビの円盤ナースは、もちろん全体の大きさ的には旧版の方が長くて大きいが、円盤化させた現行ソフビと、スケール的には全く同じなのである。
現行バンダイソフビの怪獣は、エレキングで述べたように、食玩の掌動や超動ウルトラマンのサイズが合うと思い込みそうになるが、この二つの事例は、その思い込みが逆転した発想になっている。
旧バンダイソフビ時代は、映画のラスボス怪獣等が特殊な大きさで商品化され、それはまたスケール換算が異なるケースも多かったが、ことレギュラー枠の怪獣ソフビで、一番スケールが小さく造形されているのは、おそらく『ウルトラマンマックス』(2005年)に登場したナツノメリュウだろう。尻尾から頭頂部まで、旧サイズでありながら40㎝を越えているのだ。
本来、ナツノメリュウと戦わせるべきウルトラマンマックスが、この原稿を書いているまでに超動ウルトラマン等で商品化されていないため、あくまで対比として、SHODO掌動ウルトラセブンと並んでもらった写真がこちら。
中のスーツアクター的には、これもちょうどサイズが合うので、筆者は超動ウルトラマンαでウルトラマンマックスが発売されることを待ち望んでいる。