円谷プロロケ隊・西へ
金城哲夫
満田かずほ
高野宏一
「東洋一のマンモス港・神戸は、今侵略の嵐の前に、深い眠りから目覚めようとしていた」
「重大なことが起こった。現在、関西方面で頻々と起こっている殺人事件のことだが……。実はその事件の被害者は……全員世界各地から集まってきた、地球防衛科学班のチーフ達なんだ。三ヶ月前、ワシントン基地が暗黒の星と言われるペダン星に、観測ロケットを打ち込あげたことは君も知っているだろう。送られてきた資料を調査分析した結果は、驚くべきことに、人類と同等かあるいはそれ以上の頭脳を持った生物が、存在していることが明らかになったんだ。しかも十日前、ペダン星人は地球側の観測ロケットを侵略と誤解し、復讐するという無電を送ってきたのだ」
「するとペダン星人はもう地球に……?」
「うん……そう考えていいだろうね。こうなったら、我々地球防衛軍としても、なんらかの作戦を考えんといかん。したがって、今回の会議はどうしても開く必要がある。防衛センターの警備にあたってもらいたい」
「ドロシー・アンダーソン。ワシントン基地の頭脳と呼ばれている、女性科学者だ。ペダン星に関する資料は、全て彼女が握っている」
「こうして、フルハシ、ソガ、モロボシの三隊員は、シークレットハイウェイ・ルート9を、六甲山へと向かった」
「あの街のどこかに、ペダン星人が潜んでいるのか……」
「防衛センター。地球防衛軍の国際会議場であると同時に、地下には極東基地の誇る、秘密の研究所があった」
「いやぁ無事でよかった。あなたは今度の会議の、中心人物ですからね」
「艦長より司令部へ! 今の衝撃はなんだ!? SOSだ! SOSを打て!」
「アーサー号からの連絡を受けて、地球防衛軍の基地からハイドランジャーが発進、救援に向かった」
「遅かった……我々が現場に駆けつけたときには、アーサー号は既にもう、海の藻屑と消えていたのだ」