前回は「『シン・機動戦士ガンダム論!』第24回 スーパーロボットアニメとしてのガンダム・5」

モビルアーマーなる「人型ではない悪の敵メカ」概念の導入

その路線変更へのアリバイのため、第26話では、レビル将軍の口を借りる形で、連邦軍のガンダム1機が呼び水になり、ジオンが続々と新型のモビルスーツを開発しているということ、そしてまた、モビルアーマーの存在が、間接的ながら示唆される。

富野 実際に今、30話ぐらいまでのことを考えているんですが、具体的に絵を作っていく中で、ザクの改良型とかグフの改良型とか、グフの新しいタイプ、つまりモビルスーツという概念であるものだけではやはりちょっと不足なんです。そこでモビルスーツよりももう一つ上の一般的な概念として導入するものがあります。これはおそらく絵を作っていく上ではかなり有効な手段になっていくと思います。これはモビルアーマーという概念の別のタイプのものです。これは多少マンガチックになるかもしれないけれども、SFっぽい画面の色あいを出していくうえではかなり有効に作用するんじゃないでしょうか。

ラポート『冨野語録』富野由悠季インタビュー

余談だが、ここのレビル将軍による背景解説の中で、ニュータイプの言葉が出てきて、「本当ならすばらしいことなんだが」と語らせているが、富野由悠季監督の慎重さからか、完成作品ではごっそりその部分だけカットされている。

ちなみに、ここまでの展開で、ゴッグ、ズゴックは、まずメインの敵新型モビルスーツ扱いで登場しつつ、次にはまた新登場するモビルスーツの、サブの脇役で登場する手順を踏んでおり、26話で初登場したゴッグは、27話ではズゴックの露払いを務め、ジャブロー戦の29話ではモブ扱いになる。そしてズゴックは、27話の次の28話では2機登場してモビルアーマー、グラブロの露払いを務めるところまでは一緒だったが、29話、30話では、量産型複数と共に、赤い“シャア専用”ズゴックが登場し、ジオン水陸両用モビルスーツの一番メジャー機体になる。そして29話ではゾックがメインで登場し、続く30話でそのゾックはサブで活躍。そしてその30話でシャアのズゴックの脇を固めるのは、初登場のアッガイという、毎回1種類ずつ新型を出しつつ、その場限りに終わらない印象を与える「ずらし演出」の巧みさ。その辺り『仮面ライダーV3』(1973年)初期のコンビ怪人っぽさを醸し出してくれている手順は、これぞ“正しい”ヒーロー物の悪役配置なのだろう。

ガイア「あのパイロット奴! ただ者じゃあないぞ! オルテガ! マッシュ! モビルスーツにジェット・ストリーム・アタックをかけるぞ!」
オルテガ、マッシュ「おう!」
アムロ「くる!」
アムロ「しまった!」

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