復刻版モスラの底面。マルサン時代は刻印はされておらず、ブルマァク移行期に尻尾に刻印がされた

さて、そんなモスラであるが。そもそもモスラという怪獣自体、ソフビ化するのに非常に難しい造形と立体構造を持ったキャラであることは確かだ。現代でも、モスラのソフビを新開発する時は、体毛をファーで再現したり、羽根だけ薄いプラ材質で構成していたり、かなり変化球的なマテリアルと構成で四苦八苦しているのも現実問題として現在進行形である。

顔の造形は既に究極の域に達している

そんなソフビ再現難易度が高いモスラを、怪獣ソフビ玩具黎明期の60年近く前に商品化したのだ。大賀さんは「マルブルソフビはレトロの味わいが妙味」と持ち上げる精神主義を嫌うので、あくまで直球とガチンコで向き合うが、そんなハンディキャップをさしおいても、今の目で見てこのモスラ、結構充分がんばってリアルに仕上がっているのだ。

強度や原料や金型の問題から、左右に大きく広がる羽根が、それぞれかなり太く仕上がってしまっているのは仕方のないことだろう。パーツ分割は、ボディ、左右二枚の羽根、頭部の4個構成。シルエットのバランスも、頭部が大きくて羽根が小さいのでレトロディフォルメ感が強調されているが、ボディの底面の蛾のそのままの脚や羽根の模様もモールドはしっかりしていて、特に頭部は、牙と嘴周りや触覚がしっかり造形されていて、さらに両目の複眼は、何か六角工具をモールド作成に使ったのか、かなり正確な六角形のモールドがびっしり並んでいてキャラが立っている。ちなみにサイズは、両翼端が32㎝で、ボディ全長は19㎝ほどで仕上げられている。

嵌着による可動は、基本的には首が回転可動する程度で、後は羽根の付け根が多少角度を変えられるぐらいだが、手足でアクションするタイプの怪獣ではないので、プレイバリュー的に足りないというものでもないだろう。

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