前回は「三留まゆみ×市川大賀 第六夜「三留まゆみと角川春樹と」」
大賀 僕の思春期は、一番鮮烈だったのは、東映セントラルの映画群でした。
三留 東映セントラルね。面白かったなぁ。例えばフジカ(の8㎜フィルム)の色がさぁ、Single8で撮ると青っぽくなるじゃない? それを(大学の映研の)先輩たちが「東映セントラル色」って言ってて(笑) 「やっぱりフジカだよなぁ」とか(笑) 蛍光灯の下で撮ったような色が(東映セントラル作品では)印象的だった。
大賀 あと、80年代といえばディレクターズ・カンパニー。
三留 ディレカンね! あれは『太陽を盗んだ男』(1979年 監督: 長谷川和彦)がスタート地点ですよね。
大賀 僕はその映画は名画座が初見だったんだけど、最初は「この映画は真剣なのか、観客を笑かそうとしているのか」で激しく悩んだんですよね(笑) 拳銃を何発撃たれても不死身の文太兄ィとか。分からないからもう一回名画座へ行く。まだ分からないからまた名画座へ行く。それを繰り返していくうちに、いつの間にかハマっていたという映画なんです(笑)
三留 結構高いビルの屋上から落ちても死なない文太兄ィ(笑)