変形開始。まずはボディを上半身と下半身に分割する。上半身はバウ・アタッカーになり、下半身はバウ・ナッターになる。

まずはバウ・アタッカーへの変形。
上半身の、手首を外して、肩アーマーを寝かせて頭部を胸部内に押し込む。その上で、背中のバックパックを90度持ち上げ、背部バインダーを左右に向かってL字型で開いてウィングにする。

コクピットブロックを前方に伸ばし、腕を収容して機体底面にライフルをマウントさせて変形完了。後半の腕やコクピット、ライフルマウントなど、やはりゼータガンダムの変形を踏襲しているところが多い。

特に正面から見ると、スパルタンなSF戦闘機のデザイン完成度が高く、ゼータガンダムと比べると驚くほど単純な変形なのに、そのプロセスは驚くほどにシンプルなことが「さすが出渕氏!」に繋がっていく。

お次は下半身のバウ・ナッターの変形手順。バウ・ナッターはバウ・アタッカーよりさらにシンプルな変形構造であり、手を加える箇所はいくつもない。まずは腰のサイドアーマーを展開させてウィングにする。

あとは足を腿の付け根から90度外側に回転させて、寝かせて爪先を畳んで終了。この変形プロセス、どこかで見たことあると思ったら、ほぼまんま『伝説巨神イデオン』(1980年)のCメカのパターンだった。やるな出渕裕!(シャアの声で)

モビル・スーツ時はゼータガンダムにしか見えず、背中に百式のバインダーを備え、変形方式はゼータガンダムとガンダムZZとイデオンのハイブリッド。
メカ好きのツボを突きまくりつつ、当時のガンプラでも可能な変形システムで、なおかつ1機のモビル・スーツとして完成度が高い。
長年富野アニメと関わってきた出渕氏ならではの、商品化までをトータルに見越しての、バリュー満載のメカデザインがバウなのだ。

本来であれば、主役メカのライバル機ポジションを狙えるデザインポテンシャルを持ったバウであったが、その辺りの「デザイナーの狙いと、実際の作中での扱われ方のギャップ」は『Zガンダム』のディジェなどにも表れていた混沌機ゆえか。作劇的には印象に乏しい機体になってしまったが、その「オレンジと黒」のカラーリングといい、まさに「兄弟ロボットのライバル機」的な、70年代テイストを感じさせられて、燃えたメカマニアも少なくないのではないだろうか。

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