下半身の可動。脚部開脚

両脚の開きは、腰アーマーのボリューム等を考慮すればこのレベルが最適だろう。むしろこれ以上開脚されても、気持ち悪いポーズにしかならない上に、おそらく足首の接地が追い付かない(追いついたら追いついたでさらに気持ち悪いポーズになるだろうし……)。

下半身の可動。脚部可動

膝の曲がり具合は、この写真の手前の左脚だとよくわからないかもしれないが、踏み出した方の右脚では、そこそこ曲がっている。腰アーマー、特にフロントスカートのボリュームが尋常ではないジ・Oなので、膝や足首の可動も、それほど超絶な範囲が求められるものではないと思うので、これで無問題。
むしろ問題は、次の写真でアップにする、脛ムーバブル・フレームの中をうねりあって構成されている、赤いパイプ群である。

脚部アップ。フレーム周りに無数の赤いパイプが走っているのが見える

これらの赤パイプ。脛と腿を繋げたり、脛と足首を繋げたりする位置にきていて、それをバンダイはとても真摯にそのままパーツ化してある。
それも、軟質パーツなど使わず普通のプラ素材でパイプパーツは成型されている。
そうなると、このパイプ類が可動を邪魔しないかという問題にもなるのだが、さすがバンダイはここでも、パイプの両端をそれぞれの部位にはめ込み固定するのではなくて、予め余裕のあるスペースを割き、そこへパイプの先端を挿入することでパイプが脚の可動に対して、若干呼応してフレキシブルに可動するという構造を取り入れた。
それはいい。それはこのスケールでのガンプラではベストのアイディアだ。

しかしまぁなんと、そこで「ざっくり開いた穴に、パイプの先端を挿入するだけで固定なし」は、空前絶後のパイプポロリ率を発生させた。
特に、この写真で一番右、正面から見て一番前に配管された脛前面装甲脇の両側2本のパイプのポロリ率は、「HGUC サザビーの頭部カバー」「RGガンダムの腰アーマー」に匹敵するので、軽くどころか必ず死ねる。
シミルボン『機動戦士ガンダムを読む!』での『Zガンダム』再現画像用写真撮影中に、ポーズを決めるとポロリ。シャッターを押そうと思うとポロリ、一枚撮影して移動させようと思うとポロリ。
いい加減癇癪を起した大河さんは、その両脚4本分のパイプだけ接着剤で脛に固定することでポロリを解決したが、意外と可動には影響はでなかった。ポイントは、差し込み受け穴が固定の、脛下部で接着する事。同じ悩みを持っている人がいたら、ここの接着はむしろ進めたい。それぐらい、パイプポロリのストレスが半端ないから。

ジ・O頭部

頭部は、基本構造は左右モナカ分割だが、額の黒のカバーと顔のマスクが別パーツなので、立体感は損ねていない。モノアイも別パーツなのは嬉しいところ。

バックパック

上でも書いたが、この時期のモビル・スーツデザインの中では珍しくシンプルなバックパック。ジ・O自体が巨躯な機体だけにへぇと感心させられる。
もっとも、姿勢制御のスラスターの数が半端ではなく、それらはしっかり別パーツ化されてはいるが、スラスターやバーニアの内部のグリーンはさすがにフォローされていないので、全てのスラスター、バーニアの内部を塗っていくことになる。
ここで余談だが、上でも書いたがジ・Oは2010年に1/100 MG枠でもキット化されたが、それが「いわく付き物件」になってしまっている。
2010年ごろのキットといえば、HGUCではシナンジュやガンダムZZが発売されたタイミング。バンダイの技術も相当向上しており、1/144でも合わせ目の目立たないパーツ構造や色分けなどが突き詰められ始めていた頃。
なのに、そのHGUCの上位互換であるMGで発売されたジ・Oは、合わせ目があちこち目立つところに出まくり、パーツ分割も大味、色分けもHGUC版と同レベル、パイプ類はMG最初のザクやグフで使われていたマテリアルをそのまま使うなど、誰がどう考えても「これ、少なくとも設計は10年前だろ」とツッコめるシロモノ。
つまり、ジ・Oは当初HGUCとMGの同時展開が計られていたが、なんらかの理由でMG版は無期限予定なしになってしまったものを、2010年になってそのまま商品化したという説が有力なのである。

最終決戦。「死ににきたか! シャアァッ!」

そういう意味では「ガンプラの決定版ジ・O」は、2019年までであればこのHGUCだと言い来てしまっても良いかなとすら思うのだが(ジ・Oの特徴の「隠し腕」の可動範囲が、SDガンダムBB戦士版ジ・Oの方が自由度が高いというツッコミはありだけど(笑))、この段階で(残り2機はさらにREVIVEで再キット化されたが)百式、キュベレイ、ジ・Oのクライマックストリオが新規フォーマットの1/144ガンプラで揃った事は、『Zガンダム』世代にとっては感無量の想いがあるのだ。

HGUCジ・Oの付属オプション

付属してくるのは、漢らしくライフルとサーベルのみ。サーベルは4本ついてくるがその理由は言わずもがなとはいえ後程。
ビーム部分が少し反り返っているのが、このSBクリアパーツの特徴。

ビーム・ライフルを握ったジ・Oの腕

ライフルのストックは、正面に構えた時に手首のボールジョイントの可動範囲で肘との干渉から逃がしてやることが可能。基本は単純なモナカ割りのお約束パターンだが、パイプだけはしっかりとボディと同じ色で成型されているので最終的な情報量はそこそこ多い(というか、全身のパイプの中でなんでこのパイプだけ、他の赤パイプと違ってボディ色なんだ?)。

ライフルを抱えたジ・O

完全なあんこ型力士体型ゆえに、威圧感は確かにハンパない。ある程度は腰も回転させられるので、見え切りポーズにも迫がつく。

右手にライフル。左手にサーベル

このあと、「唇に火の酒 背中に人生を」と続けば、大昔の沢田研二の名曲になってしまうが、両手に銃と刀を構えたジ・Oの迫力は、確かにゼータまでのガンダム系を寄せ付けないプレッシャーを感じさせてくれる。

ジ・Oの特徴といえば、この隠し腕

ジ・Oのフロントスカートの左右の裏側に仕込まれている隠し腕は、卑怯な裏技というよりは、ファンネルに匹敵する、シロッコのニュータイプ能力を体現する武装だとも言える。
実際、両手と隠し腕合計4つの手に握らせた4本のビーム・サーベルを縦横無尽に操れる能力は、ファンネルやビットを遠隔操作する能力に勝るとも劣らないニュータイプの凄みを感じさせるアイテムだ。

隠し腕2本にサーベルを握らせた状態。近接戦闘では無敵を誇る

兵器として、ハイメガ粒子砲やファンネルなどの、ハッタリの効いた大物を抱えていない分、その巨体と、巨体には似つかわしくない運動性、そして大きな推進力とプレッシャーは、最後までシャアを苦しめた。
結果的にはカミーユのゼータガンダムのオカルト特攻に敗れる形になったが、シロッコとジ・Oの組み合わせは、決してアムロとνガンダム、シャアとサザビーといった組み合わせには負けないポテンシャルを保有していただろう。

グリプス戦役のラスボス、ジ・Oの雄姿!

最後に塗装の解説を。
バーニアの内部のデイトナグリーンは全部塗り。これでまずは軽く死ねる。
あと、腕の内側のパイプが設定どおり赤いのはいいんだけど、そのパイプの接続先のアーマーまで赤いパーツで一体化してるって、これどうよ?
ここ、普通に全身のクリームイエローと同じ色なんだから、パイプだけ赤い別パーツでよかったんじゃ……。すげぇ目立つし。
というわけで、仕方ないのでジ・O本体の色を少しだけ懸命に作り、ここのアーマーにだけ塗る。
後は、脚の脛前のアーマーのティアドロップ型のモールドだけ、MSファントムグレーで塗装。
前腕のクリームイエローさえ上手く調色できれば、部分塗装だけで充分な見栄えのするジ・Oが完成する。

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