アニメ、それも80年代のメカ設定なので、二次元の嘘が混ざることに対して異論はないが、脚部の他は胸部と背部の装甲がシームレスにラインが繋がって流れるようなシルエットを作り上げていることが分かる。
胸部と背部の装甲の繋がり方、そして脚部の折り畳み展開等は、今回のHGUC版とも共通して、どのバージョンも個々に、元のメカデザインを上手く活かして、味わいやリファインセンスがあるが、ここでポイントになるのは、ウェイブ・ライダー全体のシルエットを左右する、腰サイドアーマーの展開状況である。

ガンダムMK-Ⅱ、メタス、百式、リック・ディアスを率いて進撃するウェイブ・ライダー

ゼータガンダムのウェイブ・ライダー形態は、確かに逆三角形のシルエットを形成しているが、本来のメカデザインでは、腰サイドアーマーは胸部・腰部に沿う形でボディと並行して密着している。
しかし、EVOL版、RG版共に、腰アーマーがわざと、アニメ版からはアレンジされて逆三角形シルエットのライン形成に加わっているのだ。
本来のデザインであれば、逆三角形のウェイブ・ライダーラインの中で、腰サイドアーマーだけは真っすぐボディパーツに貼りついていなければならないはず。

分かりやすく、真上から見下ろしたアングルのHGUC版ウェイブ・ライダー。腰サイドアーマーがボディ脇に並行で配置されているのが分かる

ゼータガンダムに限らず、ガンダムのメカデザインは常に刷新され、リファインされるのが時代の理で、だからウェイブ・ライダーもまた、腰サイドアーマーの取り付け角度が変わったのも公式の変化なのかもしれないが、『ガンダムを読む!』の再現画像は、私、市川大河に依り代(ガンプラ)の選択権があると自負している。
なので、可動範囲やポージングの観点から、ゼータガンダム本体に関してはEVOL版、RG版を用いるが、ウェイブ・ライダーに関しては、始祖のアニメ設定に一番近い、HGUC版を使用することにしたのだ。

様々な角度から見る、HGUC版ウェイブ・ライダー。筆者的にはこのモデルが決定版だと思われる

なので、再現画像では、ゼータガンダム本体はEVOL版とRG版を、ウェイブ・ライダーに関してだけはこのHGUC版を使用するという部分で、より『Zガンダム』という世界の主役を担えると思えるのである。

『Zガンダム』劇中。クアトロの百式を乗せて、大気圏へ向かうウェイブ・ライダー

最後に、ゼータガンダムを含めた塗装レシピを。
ウィングバインダーの外周とスタビライザーの赤はMrカラー108 キャラクターレッド、ウィングバインダー頂点と手首回りと、手の甲はMrカラーGX1 クールホワイト、サーベルの柄と足の甲と、足裏ディティールはガンダムカラーMS15 ファントムグレー、サーベルを持つ指をMrカラー15 ニュートラルグレー、肩や足のスラスター内部を、Mrカラー109 キャラクターイエローと、Mrカラー33 つや消し黒で、それぞれ塗装。

以上。ゼータガンダムキット史上では、アニメ版と変形組み合わせと立体のバランスが、おそらく一番融合していると思われるのは、このキットなのだろうと、今後も時代の変節と共に変わっていくだろう「ゼータガンダムの原点」に近いキットとして、今後も遺されていくだろう。

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