マグラー

マグラーは、バンダイのHGガシャポン「HGウルトラマン37 怪獣無法地帯編」のマグラーと、食玩のミニサイズソフビフィギアシリーズ「ソフビ道」其の三でラインナップされたマグラーの、両方撮影にを使用した。

まずはHGガシャポンのマグラーについての解説から。

シリーズ開始当初は、その安価さからは考えられない、ハイクオリティなカプセルトイとして各方面に驚きをもたらしたHGガシャポンも、シリーズが37まで到達したこのころになると、もはや円熟味に達した造形と塗装は、語る言葉を持ち合わせないほどに、怪獣アイテムのスタンダードとして、高水準の出来を維持していた。

ガシャポン唯一のネックは、ポーズが固定でプレイバリューが低いことだが、そもそも子ども向けの玩具というカテゴリからは、既に逸脱したところで成立しているアイテムなわけで、デスクトップに飾って眺め、往年のテレビ画面の思い出を想起するという目的を思えば、これ以上ないアイテムであるのだろう。

今回はもちろん、無改造・無塗装で撮影に使用している。

一方、食玩のソフビ道であるが、こちらもハイクオリティな安価フィギアであり、バンダイのスタンダードソフビでは立体化に恵まれない、怪獣や宇宙人を次々とリリース。

ソフビという素材とサイズゆえに、細かいディティールはそれなりであるが、何よりも、今回使用したマグラーや、エースのカメレキングなどが、アイテムとして選ばれているのは嬉しい。

造形も、段が進むたびにレベルが上がってきており、このシリーズの後継商品ウルトラモンスターズなどでは、ガラモンやサータンなどがラインナップされて好評を得ていた。

バンダイの、こういった食玩やガシャポンの展開の巧みさに、共通していえるのは、同じ怪獣キャラでも、例えばHGガシャポン・怪獣名鑑などの各商品ごとに、ポーズをあえて変えてみせたりすることで、バラエティ性を保っていたりする部分でもある。

それは、今回のこのマグラーというキャラにも同じことが言えて、腹這いポーズのソフビ道と、立ち上がったポーズのHGガシャポンは、カットごとに使い分けるだけで、可動フィギア以上の効果をもたらしてくれた。(ちなみに今回は演出には用いなかったが、「ウルトラ怪獣名鑑」におけるマグラーは、HGガシャポンとソフビ道の中間の「腹這いながら体を持ち上げているポーズ」で立体化されていて、三者を見比べてみるととても面白い)

このソフビ道マグラーも、無改造で撮影に使用している。

チャンドラー

『ウルトラQ』のペギラを改造した有翼怪獣・チャンドラーは、バンダイウルトラ怪獣ソフビシリーズのチャンドラーを用意した。

ちなみに、このチャンドラーは一般発売品ではない。

2003年に開催されたウルトラマンフェスティバルウルトラマン倶楽部で限定発売された、EXナンバーソフビである。

実物の着ぐるみ同様、ペギラのソフビを改造して作られたこのチャンドラーは、その頭部の変わりようが絶妙で、これしかないというクオリティで出来上がってる逸品であろう。

ちなみにこのチャンドラーは、ペギラと同じだった体の彩色も、ペギラのそれよりも凝った塗装になっている。

ポーズは、元になったペギラのイメージ準拠で、直立の棒立ちだが、ペギラとはまた違った獰猛なキャラクターは、その唯一の変更点の、頭部の造形だけでもしっかり伝わってくる出来である。

ピグモン

人類の味方たる珍獣・ピグモンは、バンダイが販売している、食玩「ウルトラ怪獣名鑑」「ファイナルコンプリートエディション」でラインナップされた「怪獣無法地帯・ピグモン」と、マグラーと同じく「ソフビ道:其の三」で発売されたピグモンの、両方を使用した。

そもそもピグモンは、本文中にもあったように、『ウルトラQ』のガラモンと同一の着ぐるみを使用しているが、ガラモンが、小人症の演者が入ることから逆算してシルエットを計算したスーツであったのに対し、ピグモンは通常の子どもが演者として入ったため、結果としてピグモンのほうがスーツに間延び感が出来てしまっているが、今回使用した二つのアイテムは、共にその「ガラモンとの差別化」を、巧みに再現した好アイテムであると言える。

ウルトラ怪獣名鑑は、今までにもお伝えしてきたとおり、単なるフィギアではなく情景ベースを使ったヴィネットタイプのアイテムであり、そこには多々島の岩肌や極彩色の花をあしらうことで、本話の舞台を演出した趣向が取り入れられており、ソフビ道の方は、ガラモンと微妙に異なるプロポーションを

絶妙さ加減で立体化したフィギアになっている。

両者とも、処理の仕方は違うものの、本編内で印象深かった風船を、ちゃんと背中にくっつけて造形されている芸コマぶりであり、一方、ソフビ道のピグモンは、こちらもまた秀逸な出来。

そもそもピグモンは、ガラモン同様に背中の棘がネックになって、なかなかソフビでは表現し辛いデザイン・造形の怪獣。

マルサンの時代から、ポピーキングザウルス、そして2013年までのバンダイウルトラ怪獣ソフビシリーズでも、ガラモンの体中の棘は表現しきれない出来に収まっていたが、今回のソフビ道・ピグモンは、ソフビ生産工程を考慮すると、歴代のマスプロメーカーによるガラモン・ピグモンソフビの中では、(発売時点では)最高レベルの出来だったのではないだろうか。

今回はこれら二つのピグモンアイテムを、共に無改造・無塗装で使用している。

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