アギラ
アギラ セブン版 1989年
アギラはセブンの三大カプセル怪獣の中では不遇な扱いを受けている印象はあるが、それは『ウルトラマンメビウス』で、マケット怪獣としてリメイクされなかったことと、初代のバンダイソフビが長らく絶版になっていたからだけであり、実はアギラは、ことソフビ商品化という面だけで語るのであれば、他のカプセル怪獣のウィンダムやミクラス同様に、ブルマァク、旧ポピーキングザウルス、バンダイ旧STサイズと、三回共しっかりとソフビ化されている、人気怪獣なのである。
(セブン放映当時のマルザン時期には、アギラソフビは開発されていないが、ブルマァクが立ち上がったときには、ギラドラス、ガンダーなどと共に、ブルマァクオリジナルソフビの第一弾ラインナップに入っていた)
バンダイソフビで初めてアギラが商品化されたのは1989年。
バンダイがソフビ怪獣を率先的にリニューアルさせるのは、90年代に入ってからなので、アギラ発売はその波がくる、直前のタイミングでの商品化であったが、その出来はリニューアル前のアイテムの中では、最高峰のクオリティに至っている。
なのになぜか評価が今一歩低く、見てくれで損をしているのは、その素朴で無個性なルックスと安っぽい成型色と、派手な金色のスプレーのせいか。
しかし、撮影に使われた実物どおりにくるみ塗装をしてやると、このアギラ1989版は俄然リアルに様変わりし、複雑で印象的な頭部のディティールなど、非常に高い技術で再現されていることがわかる。
アギラはテレビ画面だと、オレンジ・茶色系統の印象が強いが、当時のスチルやスナップ写真などを見ると、全身クリーム色であることが解る。
今回リペイント塗装の参考にしたのは、DVDジャケットのアギラのスナップ写真。
体色はMrカラーのセールカラーでぴったり。腹部にはウッドブラウンで色味を追加した。後頭部のヒレは商品の色を残し、角はミッドナイトブルーで塗装。眼球は白、口中は赤で塗装した。
ご覧のとおり、セブン1989版ソフビも丁寧にリペイントしてやれば、しっかりとしたリアルさを感じることが出来る名作ソフビである。