――「Voicy」と「REALITY」で、コメントの対応の仕方って全く違うじゃないですか。「Voicy」であれば、ラジオの投稿ハガキのようにコメントがリスナーから投げられて、それを一つ一つ話の流れの中で、読み上げて答えていくというスタイル。でも「REALITY」だと、スクロール式にざざーっと一気にコメントが流れてきます。山城さんはそれでも、怒涛のようなコメントの中から、「まず入室した表示」をキャッチして、「挨拶」をしてくれたコメントにリアクションして、その後にタイムラインに戻ってコメントトークをする。この辺りはマネージャーさんとの打ち合わせや、勉強して決めたスタイルですか? それともナチュラルボーンですか?

山城 そうですねぇ。学んだというよりも、他にも「REALITY」で配信されているメンバーさん達の配信を、まずどういう配信をしてるのかっていうのを見に行って「あぁ、こういう形式でやってるんだ」って納得して勉強して。その人達もやっぱり、個性というもので売り方が変わってくるわけじゃないですか。そこを、自分だったらじゃあどうやって行こうかなーっていうのは考えましたね。あと、最初の配信初回は、結構コメントに追いつけなくて……(汗)。私が読むのが遅くて。で、気付いたことがその時にありまして。入ってきた人は「どんな人かなー」って聞きにきてて。それが、声の好みかもしれないし、お話を聞いてる中でちょっと聞いて行こうかなっていう方も、それぞれ求めているものが違うと思ったんです。そこを、少なくとも自分が入って、コメントをして、待っていられる時間って、初見で全く知らない人だった場合って、どれくらいだろうって思った時に、人によっては長く待つのは難しいんじゃないかな?って思って、じゃあ来た瞬間にその人をキャッチすると言いますか、「あ、〇〇さんいらっしゃいませ」っていうところをとりあえず「来てくれたんだ!ありがとう、入ってきてくれたことをちゃんと見てるよ!」っていうことをアピールしつつ、話もタイムラインに戻りつつっていうところを、今やっている最中なので、初見も逃さないように、今いる方も逃さないようにっていう形式で、こういう風に、ちょっと行ったり来たりをして、コメント読んでます。

――山城さんのやり方は凄く正しいです。これはマーケティング理論の話なんですが。僕も今自分の公式サイトを持ってるじゃないですか。で、僕のサイトって異常に画像が多いんですよ、ガンプラとか怪獣ソフビとか(笑) そこで、サイト運営で頑張ってくれてるスタッフともめましてね。要するに、画像が多いとページをスマホとかで表示するのに時間がかかると。こういうサイトってのは、タップしてからページ表示まで、3秒以上かかるかどうかで、そこのサイトを読まないで離れる人が7割いるんです、というようなことで喧嘩しまして(笑) 僕は僕で(無視して)やってくんですけど(笑)。その、今、何が言いたいかと言うと、サイトにしても配信にしても、興味本位でタップした人を、どれだけ確実に捕まえるかということ。そこでユーザーが「いや要らない」「やっぱりやめよう」って離れないためには、まず初動をどうするかいうところを考えるっていうのは、仕事、ビジネスとして自分を見て、すごく正しい対応をしているなぁっていうところは、ちょっと今感心させてもらっています。

山城 ありがとうございます!

――で、まぁ、その配信をやってみて、たぶん僕は今までをこの年になるまで、後で話題逸れていきますけれども声優さん達といろいろお仕事をさせてもらってきたんですけれども、皆さん若い時からまぁー苦労される業界だな!っていうのは感じておりまして(笑)。今山城さんは、日々の配信が凄く多忙な中でがんばってらっしゃるんですけれども、生活もある、声優のレッスンも仕事もある中で、配信っていう物に対して、余裕をもって楽しんでマイクに向かっておられますか? それとも毎日の中で、キツイなって思うことはありますか。その辺のバランス論みたいなものを聞いてみたいと思いました。

山城 バランス……そうですね。特に苦とも思っていなくて。「Voicy」に関しては、結構私自身が、もともとそんなに頭が良くはないし、知らないことが本当にいっぱいあるので、知れば知るほど、こんなに知らないことあったんだっていうところで、反省点も見つかれば、じゃあ逆に、この視点で、この先もうちょっと行ってみたら、なにが知れるんだろうっていう、ちょっと冒険してみたいなところも、なんか沸き立てられるようになっているので、「Voicy」自体もすごく、真面目な内容もありますけど、「知れることが嬉しい」に近いかもしれないですね。でも、最近始めたばかりの「REALITY」も、そこまで生活の中での確立っていうところはまだ計れてはいませんが、このアバターを使って、いわゆる今すごく流行りのVTuberとかがいらっしゃる、この時代に乗ってるなーっていう感じも持っています。そこからなんか、今売れているVTuberの方たちも、何かしら最初というものはあって、そこに今自分も立ってて、この配信の中でも、色々と難しいところとか答えにくい質問とかも、もしかしたら中には出てくるかもしれない。そういうところ、コメントの捌き方であったり、今の声優さんにはトーク力っていうところも、めちゃくちゃ求められているところだと思ってるので、一つ一つ、自分自身のトークの確立と、配信の中でもこの輝きっていうところを失わないようなタレントとしてやっていきたいなと思ってます。

次回は「「山城リアンインタビュー目指せテッペン第2回『プリキュア』と『バイオハザード』と」

取材協力 (株)ガジェットリンク

声優 山城リアン

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