ガマクジラ
ガマクジラは、旧バンダイウルトラ怪獣シリーズソフビ。
このアイテムは、シリーズがリアリズムを取り入れ始めた、1993年の造形・発売の商品である。
いきなり余談になるが、この手のキャラクターアイテムというジャンルには、ときとして謎のジンクスや、偶然が生み出した呪縛みたいなものがある。
例えば、キャラプラモの金字塔である『機動戦士ガンダム』(1979年)のプラモデルでは、80年代以降、山のようにモビルスーツが模型化され、同じMSも、スケールと商品化カテゴリを変えて合計で何十種類も出ていたりするのだが、いまだに「旧ザクのガンプラにハズレはない」と言われていたりする。
なぜそんな話を、いきなりしたかと言うと、ことメジャーメーカーの怪獣ソフビの世界では「ガマクジラに外れなし」なのである。
ガマクジラのソフビは、過去には、60年代後半にブルマァクから、70年代後半にポピーのキングザウルスから、それぞれ商品化された機会があるが、そのどちらも、そのシリーズの中では最高峰に位置するクオリティを誇っていた。
例えば、その原因を論理的に探るとき「怪獣ソフビは必ず、そのシリーズ展開当初は、バルタン星人やレッドキングなどの、人気怪獣をまず最初に商品化するのが基本であり、ガマクジラなどのマイナー怪獣は、後回しにされるのが常である。商品の造形能力は、数をこなしていくうちに技術が進歩して、上がっていくものであるから、マイナー怪獣は技術が充分に進歩して、なおかつ人気怪獣が出尽くした頃に、商品化されるパターンがあるため、どの商品枠の中でもクオリティが高いのだろう」という仮説も挙げられるわけである。
ガンプラで「旧ザクに外れなし」といわれるのと同じ理由であろうと思われる。
さて、そんな「外れなし」のガマクジラであるのだから、90年代半ばに技術がピークに達していた、バンダイの商品としてのこのアイテムも、その造形・塗装共に、文句のつけようがない。
着ぐるみの質感や造形構成、シルエットやパーツ配置なども、ほぼ完璧に再現されている。 今回は、歯と鼻の穴だけリタッチ塗装して、撮影に使用した。