バルタン星人二代目(スペルゲン反射光装備Ver)

旧ウルトラ怪獣シリーズ版のバルタン星人二代目には、スペルゲン反射光のギミックは当然付属しておらず、しかしこのギミックは本話における、バルタン星人の特徴を象徴するギミックであり、また、本話を包み込む。飯島監督の疑似科学志向を表す、印象的なシーンでもあるため、再現は不可欠であると判断、結果としてバルタン星人二代目に関しては、ソフビと並行する形で、バンダイが2007年1月に発売したトレーディングフィギュア「究極大怪獣 アルティメトモンスターズ」のバルタン星人二代目を使用した。

2000年代の食玩バブルは、再現技術も商品クオリティもこの時期がちょうどピークとも言えて、造形も塗装もコスパも、フィギュアの歴史の中で最も優れた時期であると言える。

そのレベルはある意味では、現代の食玩やダウンサイジングされたソフビ等しか知らないユーザーからは「これで当たり前の時代など信じられない」と受け取られている状況でもある。

ウルトラの世界の食玩やガシャポンなどでも、少しでも塗装箇所が少なかったり、ディティールが甘かったりすれば「手を抜いている」「バンダイも終わったな」等、酷評されていたのがこの時期であり、今やレギュラーソフビも、サイズは小さく、塗装は前面のみなど、妥協せざるを得ないのも現状。

なので、フィギュアバブル当時のクオリティの留まることを知らない上昇率は、今にして思えばちょっと贅沢すぎる感覚ではなかったかと思うことも少なくないが、市場が常に、企業の妥協を許さない状況というのは、ある意味で健全なのだろうとも思う部分もある。

その、フィギュアバブルの頂点で発売された、まさに商品名が謡うとおりの「究極大怪獣」シリーズ。

この商品は、コンビニやスーパーマーケット流通の食玩であるにもかかわらず、単価は700円と、ウルトラソフビシリーズに迫る値段を設定している。

それでも、他シリーズ食玩のウルトラヒーローを、ボックス出荷時に混在させて、商品形態をブラインド仕様にすることで、総合コストを削減していたが、この商品コンセプトにみられる「そもそも食玩は安価である」という枠を突破した実験的手法は、しかしバンダイの開き直りではないことが、その商品クオリティの高さから、窺い知れるのである。

サイズこそソフビシリーズにはかなわないものの、その他の部分は、例えばバルタン星人二代目に限定して述べても、プロポーションやディティールの再現性の高さは言うに及ばず、腕の可動やハサミ開閉ギミック、目に使用されているクリアパーツや、胸のスペルゲン反射光のオプションパーツギミックに到るまで、全てにおいてソフビ版よりも優れていると言い切っても良いと思われる。

ではなぜ、筆者が再現特撮を行うに当たって、このシリーズをメインで使用しないのかといえば、それはまず第一に、ウルトラマンとサイズが違いすぎるので、オンリー撮りならまだしも、一つの画面でから前るには無理があり過ぎるという理由もあるが、筆者が主役として使用しているウルトラヒーローの玩具、ウルトラ超合金やウルトラアクションヒーローと並ぶには、究極大怪獣ではリアルすぎるからである。

本話再現においても、メインでウルトラマンとバトルをするのは、ウルトラ怪獣シリーズのバルタン星人二代目を使用し、スペルゲン反射光使用時や、ハサミが開かれた状態での演出では、この究極大怪獣版を演出に使用した。

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