イカルス星人

イカルス星人は、バンダイの旧ウルトラ怪獣シリーズソフビを撮影に使用した。

イカルス星人も、バルタン星人やエレキングと同じように、1983年のウルトラ怪獣シリーズスタート時から商品化されて、その後、1994年に新造形でリニューアルされた経緯を持つ。

リニューアル版は、造形も出来もガレージキットレベル。

筆者が手を加えたのは、顔の周りの墨入れとつや消し仕上げくらいか。

ポージングの幅が狭いのも、リニューアルソフビ独特の難点。

しかも、何故かこの商品、腰の関着が接着されている。

まぁ、撮影的には腰を回したポーズは不自然なので、必要ないからいいのだけど……子どものおもちゃとしてはどうなのよ?と。

あと、イカルス星人には、何故か歴代のソフビが緑に塗られているという、意図不明なセオリーがある。

古くは60年代の末期に、旧マルザンの金型を受け継いで製作販売された、ブルマァクのイカルス星人ソフビに遡るのだが、それからちょうど10年後にポピーで販売展開された、キングザウルスシリーズのイカルス星人もまた、グリーン系の成型色で発売された。

そしてまた、いまや究極のリアルソフビ怪獣人形カテゴリである、バンダイソフビのイカルス星人もまた、1983年の旧造形版は薄いグレーに濃紺のスプレーだったのに、1994年の新規造形版はなぜか、造形はリアルなのに体色はグリーン系の白色で覆われている。

テレビに登場するイカルス星人は、黒いひげと特撮セットの土汚れが目立つが、ボディ自体は純白に近い。

それゆえ、ブルマァク時代はキャラクター性が弱いと判断されて、(バトルゾーンになった樹木森をイメージで加えたのか)緑に塗装されたのかもしれないが、それをポピーやバンダイが踏襲する理由が理解できなかったりする。

「イカルスはグリーン」何か、販売戦略哲学や児童心理学的に、理由があるのだろうか?

ちなみに、70年代の怪獣ブームを再燃させた珍番組『ウルトラファイト』(1970年)に登場したイカルスが全身緑色なのは、ブルマァク版ソフビの販促の意味も兼ねてだったと聞く。

謎が謎を呼ぶ「イカルスの緑」ではあるが、2013年に、サイズをダウンして再スタートを切ったウルトラ怪獣シリーズでは、イカルス星人は第一弾のラインナップに選ばれたが、体色は白に近いグレーで、どこにも緑要素はなかった。 「イカルス星人のソフビはなぜグリーンなのか」の謎を解くカギも、これで永遠に封印されたのかもしれない。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事