ワイルド星人
宇宙龍ナースを操る悲劇の宇宙人・ワイルド星人は、バンダイのガシャポン「HGウルトラマンコンプリートスペシャル2」の、ワイルド星人を使用した。
さすが2000年代のガシャポンだけあって、その出来はまさに驚嘆のひと言。
顔の造形はマスクの下の、人間の瞳まで作りこんであって、あの「悲しげな表情」が見事に再現されている。
マットフラットな全体の塗装表現と、額の(成田デザイン特有の)飾り物の、メタリックな塗装のコントラストも完璧。
加えて、手にした生命カメラも作りこまれていて、この仕上がりで200円、300円なら、何も好き好んで数千円出してまで、未組立状態のガレキは買わないよねと納得してしまう。
このアイテムに関しては、全くの無改造・無塗装で撮影に使用している。
円盤ナース
竜形態のナースが、その体をとぐろ状に巻いて変身する円盤形態。
『光の国から愛をこめて』が令和に蘇えったのだから、令和のアイテムも率先して取り入れようという、針で、わざと1カットだけ新撮で、現代版ソフビ版ナースを撮影に使用している。
商品情報は以下のとおり。
ウルトラマン ウルトラ怪獣シリーズ 158 ナース(円盤形態) 2021年10月 660円
『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』
2013年まで続いたバンダイのウルトラ怪獣シリーズソフビは販売展開を終了し、改めてサイズをダウンさせて塗装仕様を簡素化させた、ウルトラ怪獣500というレーベルで、新たな展開を始めた。
当初からハンザギランやミラクル星人等、過去のマスプロではソフビ化されなかった怪獣や、旧バンダイウルトラ怪獣では商品化されなかった怪獣なども織り込み、商品は瞬く間にラインナップを増やしていった。
ニュージェネウルトラマンといわれる各シリーズオリジナルの怪獣と、新作に出る旧シリーズの怪獣等を合わせて、商品はバランスよく展開。
たまに核となる怪獣は、DXブランドで、旧シリーズのサイズと塗装で発売するものもあったり、2020年からは、バンダイの傘下企業エクスプラスの大怪獣シリーズを、3Dスキャナーを使って忠実に旧サイズにダウンさせたウルトラ大怪獣5000シリーズ等も展開。
さすがに定価500円の時代も長くは続かず、やがてシリーズは改めてバンダイウルトラ怪獣シリーズと名前こそ戻ったものの、10㎝ちょっとの身長の怪獣ソフビでは、全体のシルエットや姿勢などはリアルでも、細部の造形やディテールでは旧シリーズ後半期にはとうてい及ばず、筆者もこのシリーズでしか出ていない怪獣以外は、基本的にターゲットからは外していた。
しかし、令和に入って2021年に放映された『ウルトラマントリガー』で、今回紹介するナースが復活。商品化も、旧シリーズの時は材質を全てPVCに変えるなど苦労もあったが、今回は円盤型として造形した結果、商品サイズは新規シリーズ版で、円盤部分の直径は11~12cmだが、スケールとしては、旧シリーズの竜形態ナースと、頭部の大きさに互換性があるという、ここへきて、まさかの、ナースの竜形態と円盤形態が、同じスケールのソフビで両方揃うという快挙がなしとげられた。
確かに本話の再現では、円盤ナースはHGガシャポンの小さいアイテム(後述)を使って合成で全編撮り上げた前歴があったが、この商品の粋な計らいと出来の良さ(ナースはほぼ金色一色なので、イマドキの塗装仕様でも問題はない)に敬意を表し、ワンカットだけの登場となった。
こうして竜形態のナースと頭部を比較すると、大きさ(スケール)はほぼ同じだが、卑下や角の有無など、立体解釈が異なるが、これが時代の精密再現性の差異なのか、実際の本編で使用された、操演の竜形態と円盤形態の頭部との差なのかは、そこまでは筆者も詳しくは分からない。
商品は、塗装の必要もディテールアップの必要もないので、商品そのままに使っている。
一方で、頭部2本、後頭部2本の角などは、これはしっかり竜形態でも確認できるので、あくまでディテールアップの一環として、お遊びで「円盤形態の頭部+竜形態のボディ」の。ナースVer2を自作で作ってみた。首のジョイントで事前に悩んでいたが、実際には結構馴染んでくれている。
ソフビでは塞がれていた口だけはアートナイフで切り欠いて空けてはみたが、やはり気になるのは(撮影用着ぐるみと操演円盤のブロップの違いだろうが)目の形の違いだが、ここをパテなどで治せば、さらに理想的な竜形態ナースが作れるのではないだろうか。