具体的なことをいえば、セブンを演出する際に用意した二種のアイテムのうち、ウルトラ超合金セブンはそのままの状態で引き続き撮影に使用して、ウルトラアクションヒーローの方をカスタムで、A・B両タイプの差を再現した。

基本工作としては、Aタイプ・Bタイプ両方共に、ウルトラアクションヒーローをベースに、バンダイウルトラヒーローシリーズソフビの

ウルトラセブンの頭部とグローブを移植して立体構成している。

撮影用実物のAタイプセブンとBタイプセブンとの差は主に

・目の電飾の位置

・首周りの処理

・頭部の上下位置

・口周りの処置

・アイスラッガー正面の彫刻

などが挙げられる。

他にも目の取り付け位置や銀ラインの処理などが差異として認識されるが、今回は上記した部分だけを意識して、AタイプとBタイプの差として表現した。

ウルトラアクションヒーローセブンは基本的に番組中の特定のタイプの立体化ではなく、最大公約数的な表現でセブンを立体化しているため、そのウルトラアクションヒーローを基にして、AタイプとBタイプは、それぞれに手を加える箇所が違った。

(セブンBタイプ紹介(UP))

例えば口周りに関して言えば、Bタイプは、流用したソフビ頭部そのままであるが、Aタイプの方はわざと口角に切れ込みを入れて墨入れをしてある。

首周りもBタイプはアクションヒーローそのままに、Aタイプは銀色に塗装した。

アイスラッガーの彫刻は、Aタイプの方だけ刻み込んである。

目の電飾の違いはフォトショップ描画で再現するので、フィギアには大きな影響はなかった。

頭部の取り付け位置は、Aタイプは深く沈み、首が短くなるように、反対にBタイプは首が若干長く見えるような取り付け位置で接着した。

(首位置に関しては、5話の『消された時間』から長いスーツに変更されたが、そういう差異まで差別化してしまうと、セブンだけでシリーズで、10種類近くのフィギアを用意しなくてはいけなかったので、ここは大別という形で妥協することにした)

アイスラッガーの隙間カットと、頭部溝のクリーム色塗装は、A・Bタイプ両方共に施してある。

以降最終回演出まで、このBタイプアクションヒーローセブンと、ウルトラ超合金セブンの両方が主役を務めていくことになる。

ナース

劇中でメインとなる、竜形態のナースは1993年製の、バンダイウルトラ怪獣シリーズソフビを撮影に使用した。

この時期、バンダイウルトラ怪獣シリーズソフビは、新たに塩ビという材質を取り入れ、既存のソフビ技術だけでは再現しきれなかった怪獣達を、次々と商品化していたのだった。

例えばビラ星人の触手のような脚や、クレージーゴンの細くてフリーキーな腕は、ソフビの技術だけでは、再現性の低い形でしか立体化できなかったかもしれないが、このナースでは、全身の全てが塩ビの1パーツで構成されているという、ついに「もうソフビ怪獣じゃないじゃん」という域にまで達してしまったのである。

その出来は圧巻の一言。

成田デザインの「金属の龍」を、見事なレベルで再現してある逸品。

全身のモールドも、パーティングラインこそ目立つものの、一発抜きでは限界レベルの精密な出来。

こういう商品こそ、限定版でいいので円盤状態のアイテムも欲しいものだったりする。

今回は全くの無改造・無塗装で撮影に使用している。

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