アボラス

青い悪魔・アボラスは、定番のバンダイウルトラ怪獣シリーズソフビを撮影に使用した。

アボラスのソフビはバニラと共に、シリーズ開始初期の1983年に発売された。

そのソフビの原型は、実際の着ぐるみ同様に、首から下は同シリーズの、1983年版レッドキングの物をそのまま流用している。

1983年版レッドキングソフビは、ゴモラやエレキングとは違い、秀逸な出来であったので、それをそのまま移植したアボラスも、シリーズ開始当初のソフビ怪獣シリーズアイテムの中では、レベルが高い出来になった。

レッドキングはそもそも、1983年組としては珍しく、躍動感あるポーズで造形されており、それはまた、そのままこのアボラスにも継承されている。

美術系で、デッサン素材に用いられる、牛の頭蓋骨をモチーフにした、その印象的な頭部の再現に苦心の跡が見受けられるが、この当時としては、レベルは高い方ではある。

塗装の方はというと、成型色の青が玩具っぽいニュアンスを持っているが、要所要所に吹き付けられた黄色系や茶系のスプレーが、適度にリアル感を演出していて、成型色がもたらす印象ほどには悪くない出来。

今回は、いまや絶版状態のこのソフビに、モールド各所に墨入れを行い、最後に体全体につや消しスプレーを吹いて仕上げたものを使用している。

バニラ

赤い悪魔・バニラもまたバンダイの旧ウルトラ怪獣シリーズソフビを使用した。

このソフビは、発売もアボラスと歩調を合わせるように、1983年の最初期である。

タツノオトシゴをモチーフにしただけあって、一見、無個性な恐竜型怪獣に見えて、中々にフリーキーなプロポーションの、個性的なデザインの怪獣であるのだが、ソフビでの再現は難しかったようで、足のつき方や全体的なシルエットなどは、やや棒立ちな印象は拭えない。

それでも、首から腹にかけてのラインや顔の細かい造形などは、40年前の原型であることを思えば、充分なクオリティに到達している。

塗装は、その鮮やか過ぎる成型色の赤が、軽すぎる印象を受けるが、こちらもまた、全体に吹かれた茶系のスプレーが質感を増している。

今回は、素材を活かす方向でリペイント。

お粗末だった目のペイントを塗りなおし、体全体に墨入れをした。

仕上げにつや消しスプレーを吹くことで、ソフビの成型色の軽く安っぽい赤の印象は、少しでも払拭できただろうか?

細かい部分ではあるが、口中をデザインナイフで開口してある。

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