アイテム選びの旅の終着駅
というわけで、ここまで8回に渡って連載してきたことを、改めて一行で書き記せと言われれば「いつなんどき、どういう組み合わせが発生するか分からないので、片っ端から買いそろえておこう」なのだ。
今もすぐ上で書いたように、ナツノメリュウのソフビを活かすには、超動ウルトラマンαシリーズでウルトラマンマックスが発売されるのをこの先も待たなければいけないわけだし、現行バンダイソフビで円盤ナースが発売された時、組み合わせて一番ピッタリ合うのは、今はもう過去の遺物となってしまった、旧バンダイソフビと同じサイズのアクションフィギュアが必要になってくる。
全てが全て、今現在すぐさま手が届く範囲にある商品だけで、ベストな組み合わせが約束されているわけではない。手持ちの札の種類は、一つでも多い方が「次に出るかもしれない新商品」とのカップリングが生まれやすい。これがガンプラであれば、かなりの時代を隔てた商品同士でも、基本的にスケールは1/144か1/100が基本なので、併せる事はたやすいが、そもそもが児童向け玩具のソフビであるからこそ「カップリングの妙味」を模索していかなければならない。
今にして思えば、本連載2回目
魁!オモ写塾・2 「ウルトラセブンアクションフィギュアの歴史・2」「70年代末3種のウルトラセブンフィギュア」
こちらで紹介した「超合金ウルトラセブン」も、当時のポピーのスタンダードソフビシリーズ「キングザウルス」の基本サイズに対して、ちょうどよい案配のサイズで商品が作られていた。そう、的確なサイズ、スケールの主役がいなければ、合成に頼ることは容易いが、好事家的には「あえて歴史を掘り進んで見つけてくる」のも一興なのだ。そういう意味では、あの当時の超合金のウルトラセブンやウルトラマンは、元祖S.H.Figuartsサイズといえなくもないだろう。
この「カップリング見立て」を突き詰めていくと、一時期の食玩のハイエンドフィギュア、『究極大怪獣』『アルティメットモンスターズ』『アルティメットソリッド』を相手にするならウルトラマン側はどうするかや、超動系よりも確実にサイズが小さい、HGガシャポンや怪獣名鑑にしかないキャラと対応できるアクションフィギュアは、いつか開発されるのか等、興味は尽きない。
ウルトラヒーローのアクションフィギュアで、最上級ハイエンドのS.H.Figuartsと一番サイズが合うはずの、旧バンダイソフビサイズの新規怪獣フィギュアも、元々30㎝サイズのエクスプラス大怪獣シリーズを、3Dスキャナーで正確に旧バンダイサイズに縮小した「ウルトラ大怪獣5000シリーズ」が展開開始して、当初は期待も大きかったが、2022年春現在、華々しいスタート時のラインナップから比較すると、新規アイテムリリースのペースが落ちてきていて、怪獣標本やソフビ魂の悪夢の再来かなと肩を落とすしかない。
次なるステップへ
結構長い尺を使ってしまったが「どれだけ歴史を遡れば、どれだけの選択肢があるのだろうか」という意味においては、ウルトラマン系オモ写を作る上では絶対に蔑ろにできない「カップリングの奥深さ」を理解してもらうために、これまでの連載回数が必須であった。
だが、その歴史の授業も今回で終了する。
さてさて、次回からは新展開!
……とは言っても、少しより道をして、数回中国製ウルトラアクションヒーローの話題をお届けする画、その後は。
最新の怪獣フィギュアとニュージェネウルトラマンの新商品S.H.Figuartsを手にしてご満悦なそこの君!
まずは「それら」を手放してみようか。
素敵なオモ写を作るには、事前に学ばなければいけないことは、まだまだ山のようにあるのだよ!
次回「『魁!オモ写塾』番外編「中国大陸で継続していた『ウルトラアクションヒーロー! その1」」