「私の身体を、返してもらいに来た」
「そんな物知らないよ!」
「はっはっは。私の身体はそこにある。ほら君の机の上だ」
「嘘だ! これは僕の拾った石だ!」
「それは宇宙船を爆破するときに、一緒に飛ばしてしまった私の体だ」
「こんな石がどうして体になるの?」
「頼む……。それを誰にも気付かれないように、地獄山の煙の中へ落としてくれ。その代わり、君の言うことも聞いてあげる。君はいつも皆にイジメられているだろう? 私の頼みを聞いてくれれば、君を一番強い子どもにしてあげる」
「本当?」
「何をしようとしているの?」
「我々の星の平和を、二度と荒しに来ないようにするだけだ。君だって君をいじめる子は、やっつけてやりたいだろう。私も同じことだ」
「いやだ、いやだ! 僕帰る!」
「坊や、約束を破ることはできない。それに強い子にもなれないぞ」
「子どもが地獄山へ石を運んでいるそうだ。子どもを保護して石を調べるんだ」
「はい!」
「ヒロシ君、その石を捨てるんだ!」
「嫌だ! 僕は強い子にしてもらうんだ!」
「ヒロシ君、君が持ってきた石は、あの怪獣だったんだよ」
「嘘だ! 嘘だ!」