巨大な怪奇植物と、銀色の宇宙人の対決は、ナイトシーンなので、黒バック・紙ビル・グレー土台で演出した。
ナイトシーンは照明に苦労させられる。
今回でも、特に時計塔での対峙のカットでは、地面に照明が当たり過ぎて、夜間っぽさが軽減されてしまった。
これ以上照明を落としてしまうと、今度は時計塔のディティールが、見えなくなってしまい、シーン全体の立体感が損なわれる。
また、グリーンモンスの体色は暗く、闇に溶け込む色であるが、ウルトラマンの銀色はその真逆であるのだ。
カットごとの照明と露出の調整は、今まで以上にタイトさを要求された。
さて、それではいつものように各カットの解説を。
全てのカットのグリーンモンスとウルトラマンは、グリーンモンスの顔の中心・両腰の目・ウルトラマンの目・カラータイマー、これらをフォトショップ描画で光らせてある。
2カット目の、アラシのスパイダーショットの光線も描画。
このシーンで一番印象的だった、時計塔を挟んでの対峙では、本編演出に準じて時計塔のUPカットも挟んである。
時計塔そのものに関しては後述する。
時計塔の土台の四隅と、頂点アンテナ先端のライトアップは、これも描画で表現している。
グリーンモンスから放出された青緑の胞子(?)も描画。
苦しむウルトラマンのカットからは、カラータイマーは赤に変更。
ラストのスペシウム光線と、グリーンモンスを包む炎は、共にバンクカットからの流用である。
グリーンモンス
『ウルトラマン』(1966年)クランクイン・飯島組の、三部作の一作を飾る植物怪獣・グリーンモンスは、バンダイウルトラ怪獣シリーズからはソフビが出ていなかったので、第三メーカーを探し求めた結果、M1号というメーカーからリリースされている「世紀の大怪獣シリーズ」のソフビ製グリーンモンスを撮影に使用した。