恐怖SFと都会派サスペンスと無責任男
藤川桂介
飯島敏宏
的場 徹
「東京のど真ん中で、新聞記者・地質学者が、次々窒息死するという奇妙な事件が起こった。二人の死因を調べた結果、特殊な事件として警視庁から科学特捜隊に調査が依頼された」
「第一の事件が起こったガード下へ到着した、ムラマツキャップとハヤタ隊員は、スリップした跡に残されていた、緑色に光る物質に注目した」
「いったい何に襲われたんだろう……」
「岩本博士、それは?」
「犯人の動いた跡に着いていたものです。ムチンという粘液質なんですよ。問題はこの緑です。葉緑素は植物のものですからね」
「間違いなくクロロフィルです。だいぶ放射能も検出されているな……」
「すると、やはり犯人の正体は植物ですか」
「いや……一概にそうも言えませんな。ムチンは動物のものだし、クロロフィルは植物だし」
「実は博士、われわれは今日、最初の被害者である山田博士のところを調べたんですが、オイリス島でした採集した植物が、温室から消えてるんです」
「オイリス島のもの? ミロガンダ……」
「とにかく、犯人は調査団員の残った一人、女性キャメラマンの浜口さんを襲うに違いありませんな」
「オイリス島で何か変わったことはありませんでしたか?」
「道に迷って疲れてはくるし、喉は渇くし、悲しくなってしまいましたわ。そのとき、先頭の小林さんが綺麗な水を見つけたんです」
「浜口さん、あなたが足を抱え込まれた食虫植物も、その花と同じ川の流れに沿って、生えてたんですね」
「なるほどなるほど。ツクシ誰の子スギナの子。ツクシが大きくなると似ても似つかないスギナになるのと同じことで、あの美しいミロガンダの幼少のときの姿は、浜口さんに絡みついたニョゴニョゴだ、とこういうわけ!」
「はい、科特隊本部。なに? 丸の内で!? 了解! 丸の内で怪物が現れました」
「よし! 出撃だ!」
「ちきしょう! 俺の始末は俺がカタをつける! スパイダー、しっかり頼むぞ」
「アラシは責任感の強い男ですからね」
「自分の責任だと思っているんだ」
「あ! ウルトラマン! キャップ!」
「うむ……」