三大怪獣ソフビ。80年代版リペイント組

総じて言えることは、造形・塗装共に、21世紀リファイン版は、80年代セブン版より総合的には確実に勝っているが、リペイントなどを前提とした時に、21世紀版をセブン版に見立てられるかと言えば、ウィンダムなら文句なく、アギラであればリペイント次第で、ミクラスは実は、かなり難しいというのが結論と言えるだろう。
80年代セブン版も、今回の実験でリペイントをしてみれば、アギラは完璧に着ぐるみのままであり、ウィンダムは少し華奢だが思ったよりギャップがなく、ミクラスは、パーツのバランスは21世紀枠に遠く及ばないものの、基本ポテンシャルでセブン版着ぐるみに近づけようと造形された跡がしっかり確認できると言い切れるだろう。

三大怪獣ソフビ。21世紀版

バンダイ担当スタッフが、シリーズ終盤にアギラを商品化したことは(アーストロンの商品化も含めて)、怪獣ソフビという玩具の歴史を見返した時に、「セブンのカプセル怪獣が三匹揃っている」「『帰ってきたウルトラマン』第一話のアーストロンが商品化されている」という、ブルマァク、旧ポピーが守ってきた鉄則を、踏まえないまま幕を閉じさせたくないという、プロの意地のようなものが伝わってきて、人生の殆どを、趣味の一つに怪獣ソフビを入れてきた好事家としては、心底感謝の念を抱く終わり方であったと言えるだろう。
ウルトラ怪獣シリーズ。それは、怪獣ソフビという存在が、単なるコレクションではなく、子どもがなりきりごっこを夢想しながら抱きしめられる大きさで夢を紡いだ、最後のブランドになるのかもしれない。

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