前回は「『ガンプラり歩き旅』バイオマン編・4 スーパーミニプラ バイオロボ 1」
ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。
とか言いながら、ガンプラ以外も紹介してきたのは、MiddleEdge時代から変わらず、最近では「もはや富野作品でも、アニメメカですらない」グッズまで紹介し始めた迷走コーナー!
今回は8回の連載で、東映戦隊シリーズ初期の名作『超電子バイオマン』(1984年)の、最新玩具や当時品玩具を紹介してまいります!
さて、今回はこの特集のメインでもある、バンダイスーパーミニプラ版、バイオロボの紹介の、2回連続の後半戦を掲載させて頂きます!
前回の後半で、テレビ版バンクの合体変形シーンを再現してみて、合体ポテンシャルをチェックした。
サンバルカンロボの項でも書いたが、実写特撮ロボ(&ヒーロー)のプラモデルやフィギュアでは「テレビ本編用スーツ以上の可動は必要か」議論がどうしても付きまとってしまう。
筆者としては「映像作品内以上の動きは出来てもいいかもしれないが、逆に映像作品内のアクションは着実にこなして欲しい」と思っている。着ぐるみで出来ない左右開脚180度が出来たとしても、着ぐるみがとれたキメポーズもとれないのでは本末転倒でしかないと思うのだ。
さて、完成したバイオロボの各部を見ていこう。
シール補完もなしでこの出来。ここは素直に素晴らしい出来と言えるだろう。造形も塗装も完璧である。
先ほどの問いかけが一番出てしまうのがこの可動である。いや「このデザインのバンダイプラモ」の可動範囲としては充分である。むしろガンプラのHGUC辺りと比較すれば優秀といえよう。
ちなみに、今回のバイオロボも、前回のサンバルカンロボ同様、全身ABS仕様なので、塗装も接着も不可能な挙句、ABSの摩耗で関節が緩んだ時の対策がまずとれないので、そこは気を付けたい。
個人的に塗装が出来ないという部分で一番気になったのが「意味が分からない、肘関節ブロックの銀と黒のパーツ分割」である。バイオジェット1号的にもバイオロボ的にも、ここを色分けする理由も意義もない。むしろ、肘関節の内側が銀と黒に色分けされていると、意味もなく目立って逆に関節部分が悪目立ちする。肘関節は全て前腕ブロック内に収納されるのだから、ここは黒で統一した方がよかったように思う。
また、ここもガンプラ的には当たり前なのだが、肩関節を脇をあげると、肩ブロックごと腕が上がってしまう。
しかし、着ぐるみでは(ベストメカコレクションのサンバルカンロボのように)肩ブロックは回転されるだけで、腕はその肩ブロックの隙間と脱着範囲でだけ動く、腕を振り上げる時も、肩ブロックとは別にボディの中から腕が上がる構造が「正解」なのである。
なので、この肩関節スウィング機能も、ガンプラ的には(バイオソードを正面で両手で構えるなど)正解なのであるが、着ぐるみ的には、中にスーツアクターが入っていることを考えると、この動きは「あり得ない」ということになる。だが、着ぐるみのロボが正面でソードを構えるには、また異なる素材やギミックが必要なので、オールインワンを求めるのであれば、選択肢はこれで良いと思う。
この商品が発売された時、各レビューが「なんと180度開脚が出来る! しかも、その状態で足首パーツが接地する! すばらしい!」と絶賛していたが、確かにアニメのガンダム等のロボでこれをやれたら素晴らしいが、仮に着ぐるみスーツのバイオロボがこのポーズをしているとなれば、それは「中に誰も入っておらず、たまたまその状態で放置された」か「スーツアクターが股関節と足首を脱臼しているか」のどちらかでしかないのだ。こういった「着ぐるみではありえないポーズがとれる」のは悪い現象ではないが、せめて「映像で観れたポーズが全て再現出来てから」にして欲しいと思うのは、筆者だけであろうか?
立膝に関しては、元の着ぐるみでも立膝は出来ていただろうこと(素材の柔らかさ故で出来ていたが)、合体変形を兼ねたスーパーミニプラ版バイオロボの構造でよく再現できたこと。最新ガンプラほどには、極端に正座まで出来るわけではないこと、この三点をもってして、筆者的には「ギリギリあり」かなと思っている(ロボの腰パーツを、ガンダムのようにパネル式に分割したことへの是非は置いておくとして)