大賀 本当にねぇ! 本当「そこ」ねぇ! 僕、分かる(笑) 僕は世代的にちょっと後なんだけど、逆に大林映画とか相米慎二映画を観て、自主映画に手を染めるようになったんだけど、まだそのころは自主映画の手引書が、さっき言ったほしのあきらさんの『フィルム・メーキング』しかなくてねぇ!
三留 それは辛い(笑)
大賀 最初、本屋で見つけて立ち読みでパラパラっとめくってみたら、フィルムやレンズの話もあったんで「これでいいや」って買って帰って、いざ部屋で本気で読み始めたら、冒頭からいきなり、ほしのさんの「映画とは」とか「芸術とは」とかの、アングラ的アジテーションがずーっと続くのね(笑) もうね、「ここ」をちゃんと読まないと、撮りたい映画一本撮れないのかと思うと、途中で放り投げたくなったりしてね(笑)
三留 世代だよね(笑)
大賀 僕が自主映画の世界に入ったのが1982年ぐらいなんだけど、むしろ、その当時の僕らの気分を上手く描いてくれたなァと感心したのが、漫画家の細野不二彦さんが青年誌で短期連載していた、自主映画を撮る大学の映研を舞台にした漫画『あどりぶシネ倶楽部』だったかな。