大賀 「南京大虐殺はなかった」とか「真珠湾攻撃はアメリカの罠だった」とかね。映画『カプリコン・1』(1977年 監督: Peter Hyams 原題: Capricorn One)じゃねーんだよって話ですよね。むしろ、あの映画ぐらい上手くやってくれたら、喜んで騙されてやるわ、っていう。

カプリコン・1

三留 そういうこと言えちゃう人たちって、別の地球からきたのかなっていう(笑) 多元宇宙かなって(笑) 

大賀 もう、そういう次元まで来てしまっちゃったでしょう? そういう妄言がTwitterで1万、10万とRetweetsされて拡散されるわけです。そういうのを拡散して、バカが「あぁそうなんだ! ボクタチの日本はやっぱり悪い国じゃなかったんだ!」って喜んじゃう。

三留 でもね。なんかねぇ「そこ」にしかアイデンティティを持てない人たちなのね。

――教育の世界では、現場の教師はしっかりと歴史を教えているはずで、これまでの文科省の教科書に沿った教育を受けていれば、そのような価値観は育たないはずなんですけどね。

大賀 それはね。そういうことを、まるでカルト宗教とかマルチ商法みたいに準えて、マニュアル化したテンプレがあってね。「それは、教師の中に日教組に入っているような反日思想家がいて、子どもたちにサヨク思想を植え付けようとしていたんだ。キミタチは騙されるところだったんだ」みたいなリアクションが用意されてるのね。

三留 あのねぇ(笑) 戦後の日本の教育の現場では、教師はそもそもみんな、日教組に入っていたんだよ(笑) うちの学校(の教師)なんて、80%か90%ぐらいの(日教組)加入率だったよ。

次回「三留まゆみ×市川大賀 第十三夜「三留まゆみと日本の教育の現状と」」

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