ウィンダム メビウス版 2006年
上記したが、ウィンダムとミクラスは『ウルトラマンメビウス』で「マケット怪獣」という立ち位置で新規造形された着ぐるみで登場した。その着ぐるみは、いわゆる『平成ウルトラセブン』シリーズで登場したものとは違っており、ウィンダムは平成セブン版アレンジを無くし、最初のセブンに登場した着ぐるみにより近く造形されていて、あざとくマスコット風にアレンジされたミクラスと、真逆の方向で造形されていてこの差別化は面白い。
造形は、歴代ウィンダムソフビの中で最上級の出来で、メイン商品のサイズが下げられた現代においては、このサイズでのソフビとしては、ラストエディションになると思われる。
手の大きさ、顔の大きさ、足の短さも完璧にセブン版、メビウス版を同時に再現しており、文句のつけようがない。
嘴に繋がる顎が、ジャバラ2段分だけ膨らんでいるのを再現しているのはメビウス版。また頭部、額のラインでも、ここは面で割れてるセブン版よりも、額からなだらかに鼻面に繋がるメビウス版の方が(セブン版の着ぐるみでも)正しい。
その他の複雑な面取りも、80年代版に負ける道理もなく、今風なメカディテールも、気付かれない程度に施されている。
嵌着可動は、セブン版とほぼ同じ、腕の回転と、今回はそこに腰の回転が加わった程度。
塗装は、メビウス版もシルバー単色着ぐるみではあるが、商品として、メカ感を強調する意味と、重量感を演出するためか、筆者の手持ちの塗料で言えば焼鉄色にあたるメタルブラックが、四肢と首を中心にスプレーされている。
眼が黄色なのは、先ほども書いたが、点灯したイメージで塗られてると思えば特に違和感もない。
実際、メビウス版ウィンダム着ぐるみの目の電飾は、黄色の電球が仕込まれているのが写真からも分かる。
ウィンダムに関しては「全てにおいてメビウス版の圧勝だが、セブン版に間違いや難点はなく、むしろ、「それ」を踏まえた上でメビウス版が『完璧なウィンダムのソフビ』に到達した」が結論だと言えるだろう。