それがいかに正統派なコンティニュティであったかを、本話のシーンから抜粋して語ってみよう。たとえば物語序盤。パリからやってきたアンヌという隊員が科特隊本部を訪れるシーン。

これを文字コンテに置き換えると以下のような流れになる。

・椅子から立ち上がるムラマツ、右手奥(上手)から左(下手)へ向かう。

・カメラ、そのままパンニングして、左手奥に居たアンヌとの平行ショットまで。

・アンヌUP、そしてカメラはダウンパン。胸の認識証を見せる。

・それをみるムラマツのバストショット(アンヌなめ)。頷くムラマツ。

・左にアンヌ、右にムラマツのロングショット。二人の会話。握手する二人。

ここには決してコンティニュティによる斬新さはなく、むしろ教科書的にオーソドックス。

ちょっとここのカット割を解説していこう。

まず、このシーン設計ではっきりするのは、イマジナリーラインが基本に忠実ということ。イマジナリーラインとは何かといえば、それは映像理論の一つなのであるが、簡潔に言えば「そのシーンをカットの連続で写す場合に、観念的に引かれる線」のこと。こう言われても、みんなさんにはまだ良く分からないだろうか。

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