宇宙人と怪獣では、基本的にスケールが異なる
ソフビの商品シリーズは、スケール統一ではなく、サイズ統一である。
この法則を前提にすると、そこにリアリズムの拘りを加えた時、必ずしも、同じ時代のソフビシリーズの、ウルトラヒーローと怪獣が、同じスケールにはならないことは理解できると思う。
少し考えればすぐ分かるが、恐竜型の典型的な怪獣は、スーツアクターの頭の上に首が来て、その上に頭部が乗る構造なので、実際のスーツアクターの頭の位置はウルトラマンや宇宙人ソフビの、肩より下の位置になるので、スケールは人型よりも小さくなる。
『ウルトラセブン』(1967年)の組み合わせでいえば、同作品で一番メジャーな正統派怪獣と言えばエレキング。
エレキングのソフビを、まず、ブルマァク(マルザン)、旧バンダイ、現バンダイと並べてみよう。
造形の良し悪しは脇に置く。サイズ以上に時代も違うし、怪獣ソフビの存在意義も異なる商品同士だからだ。
そこでまず、「同じメーカー、ブランドのセブンと並べてみる」を、3パターンで比較してみよう。
お気づきであろうか。玩具商品としてのボリュームとしては、それぞれ相応の組み合わせだが、厳密に頭頂部までの全長を基にスケール対比をすると、三組全てのセブンの方が、スケールが大きく作られているのだ。
どの対比でも、エレキングを着ぐるみとした場合の、スーツアクターの頭頂部は、セブンの首の下あたりになってしまう対比になる。
つまり、子ども目線で、玩具として遊ぶ分には構わない問題かもしれないが、イイトシした好事家の嗜みとして再考した場合、同じシリーズのヒーローソフビと怪獣ソフビを絡ませるのは、スケールが歪んでしまうということになる。