「ロボット攻略の研究がツチダ博士の手によって行われる一方、ペダン星人の攻撃に備えて、防備が固められていった」
「さすがはペダン星人だ。我々をまんまと罠に陥れるとは……」
「ウルトラ警備隊に宇宙人がいるとは知らなかったわ。ウルトラセブン、どう?私たちの味方にならない? 地球はいずれアタシたちの物だわ。その方が身のためよ」
「断る! 僕は、地球の平和を守るために働くんだ」
「地球が平和なら、他の星はどうなってもいいというの?」
「地球人はペダン星を侵略するつもりはないんだ。あのロケットは、単なる観測ロケットだったんだ!」
「観測? ふん、いかにも立派な名目だわ。でも何のための観測なの? それはいずれ、自分たちが利用するためにやっていること。その手にはのらないわ」
「そうじゃない! 我々地球防衛軍の本当の目的は、宇宙全体の平和なのだ!」
「そう考えているのは、ウルトラセブン、あなただけよ」
「なに!?」
「人間はずるくて欲張りで、とんだ食わせ者だわ。その証拠に、防衛センターではペダン星人を攻撃するために、密かに武器を作っている」
「それは……お前たちが地球の平和を乱すからだ」
「それはこっちの言うことよ! 他人の家を覗いたり、石を投げたりするのはルールに反することだわ!」
「なるほど……地球人も確かに悪かった……。こうしよう、僕は今度の事件を平和に解決したい。ウルトラ警備隊は、ペダン星人と戦うための武器の研究を中止する。その代わり、ペダン星人も地球から退却して欲しい!」
「……宇宙人同士の約束ね」
「そうだ!」
「わかったわ、あなたを信じることにする。あたし達の誠意のしるしとして、本物のあたし……つまりドロシー・アンダーソンを返すわ」
「その言葉が本当ならなぁ……」
「みんな、何を疑っているんだ! まず、相手を信じることです! そうでなければ……人間は永遠に平和をつかむことなどできっこないんだ!」
「ハハハハハ!そうか!よぉくやったぁ! この気に乗じて一気に地球を侵略するのだ! こんな美しい星は初めて見た。必ず手に入れてみせるぞ!」
「遥か第八銀河系の彼方から、ペダン星人の宇宙戦闘機が地球目指して飛び立った。
「ダン! アンダーソンさんは完全に記憶を失っているわ!」
「えっ!?」
「ペダン星人に記憶を消されているのよ!」
「ペダン星人の誠意とやらも、怪しいもんだね……えぇ? ダン君」
「キリヤマ隊長! V3から、ペダン星人の宇宙円盤が地球に向かってることを報せてきた」
「……裏切ったなペダン星人め!」
「隊長!神戸港に例のロボットが!」