筆者はこの手の複製の、本格的作業をした経験がほとんどなかったので、仕上がったクリアパーツは、表面のディティールが上手く再現できてないレベルに終始したが、まぁなんとか雰囲気だけでも再現できたのではないかなぁと(弱気ながら)実感している。

続いて、ムサシ少年が望遠鏡などを使って、コスモスに光を当てるシーン。
ムサシ少年は、今まで本ブログで多用してきた、食玩の少年フィギュアをそれっぽくリペイント。
望遠鏡は、ウルトラ怪獣名鑑『円盤が来た!』のヴィネットにセットされてた望遠鏡を使った。
蘇えるコスモス。ムサシ少年との出会い。そしてムサシ少年を手に乗せて飛行。
ここまでは、コスモスフィギュアとムサシ少年フィギュアを合成することで表現。
今回は平成作品ということもあって、今までは空の背景ホリゾント前で撮影していた飛行シーンも、全て、フィギュア単体で撮影した写真を、背景の空の写真と毎回合成することで、平成ウルトラシリーズっぽく加工画像に見えるようにしてみた。

次のシーンでは呑龍とトロイタートルの登場。
トロイタートルの玩具の問題点は後でまとめて書き記すが、とにかく画面で繰り広げられる、牧歌的な「たたかい」を再現すべく、大小2機のトロイに、片方はフォトショで赤く色を変えたんグローブを合成してSRC作戦ACT.1を再現。フォトショを使いこなすことで、劇中でも上手くCGをギャグに使っていた「パンチでゆがむ呑龍の顔」を再現しつつ、冷凍ガスに関しては、イマドキこんなのもあるのだというレベルで、白元アース「アイスノン氷スプレー」を用意。

これで巧く呑龍を凍らせて……とは思ったものの、今一歩巧い表現には至らなかったかもしれないが、こういうアイディアを楽しんで発送するのも好事家の楽しみである。

そして、ここで静かに眠りかけた呑龍を襲う、国家緊急部隊シャークスの戦闘機部隊。
この戦闘機はどこにも立体物がなかったため仕方なく自作した。

劇中に登場するシャークスの戦闘機部隊

「TAMIYA 1/350 アメリカ海軍現用艦載機セットNo.2」にセットされていた、グラマンFA-6Bプロウラーをベースに、エポパテやプラバン、ジャンクパーツ等で、それらしくでっち上げて、RLM74グレーグリーンとと明灰緑色(中島系)等で塗装した。
いつものやっつけ仕事であるし、小ささも手伝って見られた出来ではないが、脇役で数と勝負というところもあるし、粘土細工レベルのメカ小道具の前例としては、『ウルトラマン』(1966年)『宇宙船救助命令』の宇宙船白鳥の例も既にあるので、どうか今回はこの出来でご容赦願いたい。

国家緊急部隊シャークス 戦闘機 自作ミニチュア

シャークスというくらいなので、そこで登場する戦闘機のフォルムも鮫を思わせる。
劇中ではその鮫が、まるでピラニアの群れとなって、獰猛攻撃的に一気呵成で、呑龍やバルタン星人に襲い掛かるのだが、劇中ではCGで再現されたこの戦闘機も、こちらの再現特撮では一つしかないので、膨大な角度単位の数の写真を撮影して、それを何十枚と重ね合わせる合成作業を毎回カット施した。

本作品のテーマの一つは「共存」であり、そういう意味では平和的共存を望む、チャイルドバルタンと、地球人の子ども達が、それぞれ群れで相対しなければいけないのだろうが、ここではシャークス戦闘機隊が、悪意の共存への生涯として群れを成すのだろう。

眠りについた(ラストエンディングのラストカットを見る限り、呑龍は死ななかったらしい)呑龍から、空中回転で現れるバルタン星人はロケ撮影。背景の空の色がセットとロケで全く異なるのはご愛敬。

続いて巨大化したバルタン星人が街に現れるシーン。目や光線は、もちろんフォトショップ合成。

ここで、いろいろ思考した挙句、バルタンの「ノアの箱舟」での、コスモスやシャークスとバルタンの戦いを丸ごとカットすることに決める。
セットのイメージの問題もあるが、なにより素材が長尺の映画なだけに、画像枚数が増えすぎるのも考えものなのだ。
結果的には英断だったといえるかもしれない。
次は、やってきたバルタンに対してSRCが「トロイ作戦ACT.2」を仕掛けるシーンの再現。
グローブ同様スピーカーもメインのアーム用のしかないので、コア用のは合成で再現した。
バルタンが眠らされるシーンは、眠くなるバルタンのまぶたもフォトショ描画。
シャークスの戦闘機群がまたもや現れ一斉攻撃。バルタンが爆撃され、立ち上がり反撃でシャークスを光線で撃墜する。
チャイルドバルタン登場シーンは、筆者の住む地元の大型公園の並木を写した写真に合成。
チャイルドバルタンは、本編ではフルCGだったのだが、今回の再現特撮では全てソフビで撮影している。

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