呑龍(ドンロン)

バンダイウルトラ怪獣シリーズ 呑龍

本編前半でバルタン星人に操られる形で登場し、SRCの「SRC作戦ACT.1」の相手になった、愛嬌のある伝説薬使獣呑龍(ドンロン)は、映画公開時にバンダイが販売した、ウルトラ怪獣シリーズの呑龍を、撮影演出に使用した。

設定では呑龍は、その鱗が薬になるという「伝説薬使獣」と呼ばれていて、漢方薬のイメージもあるのか、そのデザインはそこはかとなく中国大陸系を思わせて、一言で例えるのであれば「獅子舞とタッコングを足しっぱなし」にした姿をしている。

バンダイウルトラ怪獣シリーズの呑龍発売は、2001年というフィギュアブーム真っ只中という時代性もあるので、その出来は完璧とも言える。
獅子の顔も、体全体のディティールも緻密で正確で、全体シルエットも再限度が高い。
惜しむらくは、ボディが前後で真っ二つに分割されているパーツ構成だが、これはもう、このデザインの時点で、ボディを上下に分割するか、前後に分割するか、商品製法上では二択しかなかったとも言えるわけである。
まだ上下分割がしっくりくるデザインのタッコングならばそれも似合うが、呑龍の場合は上下分割でも不自然さは否めないデザインだけに、この仕様もやむなしといったところであろうか。
パーツは、前後分割と2本の角と両脚の合計6パーツ構成。
スーツアクターの両腕は、頭部を動かす演技をするためであり、2本の角は劇中描写で効果的には演技をしていなかった部分でもあるため、ソフビにおける分割は、嵌着可動ギミックというよりは、純粋なパーツ分割の意味が強いのだろう。

ディテールアップ。リペ前の商品状態

個人的にはタッコングのイメージよりも、オクスター辺り(左右に突き出したのが、角だということもあるのかもしれない)が脳裏をよぎるキャラだが、今回はその傑作ソフビを、元の造形や塗装を活かす方向で、少しだけ手を加えた。
まず、物理的に手を加えたのは、頭部に二本生えてる金の角の頭部と一体化している、はねてる部分の隙間をカッターで切り欠いたこと。
リペイントも、どこかを塗りなおすという方向ではなく、立体情報量を増やすために、体の鱗装甲の隙間や鼻の穴に艶消し黒を塗って、後は全体に墨入れをしたのみ。
ウルトラマンとは絡まないので、サイズの小ささはあまり問題にならないし、とにかく傑作アイテムではあるので、ファンなら抑えておきたい佳作ソフビではある。

クレバーゴン

バンダイ くっつくんです7 2001年7月 100円
ユタカ ウルトラマンコスモス ちびコレバッグ ソフビフィギュア 指人形 2001年
くっつくんですは、キャラクターの立体に、裏にマグネットを仕込むことで鉄製の家電
などに貼り付けられるプレイバリューをもった商品で、2008年時点で45以上ものシリーズが出ており、中でも『それいけ!アンパンマン』が長寿人気シリーズである。

くっつくんです クレバーゴン

ウルトラマンシリーズはくっつくんですのシリーズ7弾から。ラインナップはクレバーゴンの他、コスモスルナ、コスモスコロナ、ベーシカルバルタンと『ウルトラマン コスモス』勢の他、ウルトラマンティガ、ウルトラマンダイナ,ウルトラマンガイア
、ウルトラマンアグルと、平成ウルトラマンシリーズで揃えられている。

くっつくんです クレバーゴン 裏側

一方ユタカ ウルトラマン コスモス ちびコレバッグは、当時円谷がイベントで発売していた、いわゆる「指人形」シリーズであり、マニア人気は低かったが、ウルトラマンフェスティバルとかでの児童の人気はものすごく、どれだけのシリーズで全体で何種類あったのか、膨大過ぎて筆者にも追い切れていない。しかし、コスモスの時期に、コスモスのキャラクターだけでボックス売りをしていたので、今回はその中のクレバーゴンを選び出して、くっつくんです版と併用をすることにした。

ユタカ ちびコレバッグ クレバーゴン 

クレバーゴンは、TV版第29話『夢見る勇気』にに登場した、カオスヘッダーに悪の怪獣にされたカオスクレバーゴンが当時バンダイウルトラ怪獣シリーズで商品化されたが、そもそもの通常版クレバーゴンはあまり立体の機会に恵まれなかった。今回紹介するくっつくんですの他では、指人形ぐらいしか商品化されていないのではなかろうか。

ユタカ ウルトラマン コスモス ちびコレバッグ パッケージ

今回、指人形とくっつくんです版の両方を選んだのは、ポーズがしっかりクレバーゴンならではになっているところと、顔の表情のかわいらしさが双方で若干違うので、モンタージュ的に効果が出ると期待できたところからである。
今回出番は少ないが、本作品のキャラクターはすべて出したいとの願いから、これを使ってクレバーゴンの出番の再現となった。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事