バルタン星人(ベーシカルバルタン)

バルタン星人・ベーシカル(アクション)紹介

この物語の主役でもあるバルタン星人。
その基本形態となるベーシカルバルタンは、バンダイウルトラ怪獣シリーズ(2001年当時)ソフビ版のベーシカルバルタンをベースに、タカラトミーの可動素体・アクションヒーロープロを内蔵させることで、フルアクションカスタム化したフィギュアを撮影に使用した。

まずはベースになった、バンダイウルトラ怪獣シリーズのベーシカルバルタンソフビの解説から。
もちろんこのソフビは、今回紹介した劇場用のウルトラマン映画『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』公開と同時に2001年に発売された。
バルタン星人というキャラクター自体、ウルトラシリーズで一番認知度が高いキャラでもあり、しかしフィギュアやソフビなどでの再現が難しいというのがあって、『ウルトラマン』(1966年)から延々脈々と関連商品が作り続けられてきたが、決定版と称するに値するフィギュアは、長年なかなか出てこなかった。
しかし、バンダイのソフビ造形技術は90年代に入ってから一気に加速した。
それは一方では、PL法によってソフビの素材や成型技術が、逆に自由度を増したからかもしれなかった。

バンダイウルトラ怪獣シリーズソフビ版

素材変更による自由度の広がりは、PVCパーツを有効利用した、クレージーゴンやナースなどのソフビの再現性へ直結したが、それは「巨大なハサミを持つ細身の宇宙人」というバルタン星人の再現にも生かされて、1993年に展開された『ウルトラマンパワード』ソフビのパワードバルタンは、初代をリデザインしたバルタンらしいシルエットを忠実に立体化したことで話題になった。
続けて1994年に、他の怪獣達と共に新規造形された初代バルタン星人リニューアルでは、まさに(マスプロソフビとしては)決定版ともいうべきバルタン星人が発売された。
その後の2001年に発売されたベーシカルバルタンだが、その商品ポテンシャルは、それらの蓄積が大いに活かされた造形に仕上がっていて、初代を上手く踏襲しつつ、さらに甲虫的なアレンジを加えたスーツをしっかりと再現してある。
塗装も、フィギュアバブル最高潮期ということもあってか完璧な仕上がり具合を見せ、飯島敏宏監督の持つ品の良さを、高いレベルで感じさせてくれるフィギュアになっている。
今回は、この傑作ソフビを可動化させる方向でカスタムした。

バルタン星人の可動化というと、筆者は今までにバルタン星人五代目で挑戦しているが、そのときは、ウルトラアクションヒーローを素体に使ってみた。
なので今回は、素体にはタカラトミーのアクションヒーロープロを使用してみた。
これがまさにベストマッチ。
そもそもこのベーシカルバルタンは、甲冑タイプの甲虫的意匠が特徴的だったので、下半身がタイツズボン的だった初期のバルタンと比較すると可動化がしやすい。
各関節は茶色の軟質部分が露出していて、そこに装甲がかぶさるデザインなので、それを忠実に再現すれば良いと解釈して、カスタムに望んだ。
つまり、ソフビのパーツを甲冑部分に見立て、その内側の茶色のボディ部分を、アクションヒーロープロを使って再現するというコンセプト。
ソフビは下半身がスカート(?)と太股背部が一体化していたので処理を悩んだが、それ以外は基本的に、ソフビをパーツ単位で切り刻んだものを、ダークアースで塗装したアクションヒーロープロに被せていって完成させた。

今回はまるであつらえたように、ソフビのパーツとアクションヒーロープロがぴったりマッチ。
素体を削る必要も、パーツを無理に接着する必要も、どちらもいらずに、簡単にフルアクションのベーシカルバルタンが完成した。
ところどころ、甲冑が間接部を覆ってしまっている箇所もあるが、素体の自由度が高いため、可動範囲はほとんど殺されていない。
素体の間接部と、その他を覆うソフビパーツとが少し段差が目立つかもしれないが、こと、このベーシカルバルタンに限っては、そんな特徴が良い方に働いているのではないかと、筆者は自画自賛ではあるがそう思う(笑)

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