一方で、ランバ・ラルとは様々な意味で対をなす「悪の組織の、大人の重要幹部」マ・クベもこのタイミングで登場し、第18話『灼熱のアッザム・リーダー』では、謎の新兵器アッザムと共に、敵の大幹部の紅一点・キシリアもまた戦場で、主役のガンダムと手ほどきの出会いをするように構成されている。
その上でのランバ・ラルの特攻と死。そしてランバ・ラルを愛したハモンの復讐戦において、既にザクが古い兵器になりつつあるニュアンスの台詞も出て来る。
ハモン「使い古したザクが一機と、マゼラ・アタックの砲塔が4門だけか?」
日本サンライズ『機動戦士ガンダム 記録全集 台本全記録』
タチ「明らかにマクベ少佐は協力的ではありませんでした」
その上で、もはやザクもマゼラアタックも、ガンダムの前には雑魚敵でしかなく、演出的にはガンダムとアムロはピンチに陥るが、それは弾薬を詰め込んだカーゴの脅威とシチュエーションからくる危機であり、兵器としての性能とパイロット特性においては、アムロはシャアもランバ・ラルも乗り越え、ハモンの懸命な“女らしい潔さ”さえも、仲間の死と共に乗り越えていくのである。