ちなみにサイズはウルトラ怪獣シリーズとほぼ同じ。

これはつまり、そもそも超合金魂キングジョーが、以前販売展開していたウルトラ超合金シリーズのセブンと、並べて絡ませて飾れるようにとの配慮があって、そのウルトラ超合金シリーズがそもそも、ソフビ怪獣と絡めることを前提で、同じサイズで作られたからであって、こうやって比較してみると、色々違いが確認できて面白い。

ソフビと超合金魂では、そもそも商品コンセプトが違うわけなので(超合金魂は、劇中着ぐるみの完全再現を目的としていない)、ここは純粋に、質感とパーツ構成からくる情報量の多さで、超合金魂の方が格好良く見えるかもしれない。

しかし、「合体変形システム上の問題」と関係ない部分で、明らかな「デザイン解釈上の間違い」が、超合金魂版には存在する。

まずはこちらの画像を見て欲しい。

超合金魂版の、肩の部分を観察して欲しい。

上腕を包むように形成されているパーツが、耳下部から上腕部に向けて、ハの字状態で末広がりで、シルエットを形成しているのが解るだろう。

ところが、ソフビの肩部はこうなっている。

超合金魂版とは真逆、耳下部から上腕に向けて、逆ハの字状態で、耳から腕へ繋がるラインを作っている。

それでは本物はどうなのか。

着ぐるみではなく、円盤状態の画像ではあるが、本編のキングジョーではこうなっている。

これを見る限り、やはりソフビの解釈の方が正しいことがわかる。

おそらく肩の可動域を確保するための処置なのであろうが、わざわざデザインを無視してシルエットを崩したメリットはあまり感じられず、疑問が残る設計になってしまった点は否めない。

色々苦言を呈した超合金魂版キングジョーではあったが、ウルトラセブン40周年の現代で、そもそもこのアイテムが発売されたという、その現実をまず素直に喜んでもいいのかなと、筆者は思っている。

つくづく、バンダイが、妙な感情的なレベルでメディコム版を意識しなければ、もっと完成度の高いアイテムになったのではないかと思えてならない。

例えば(これもメディコム版との差別化目的が、あったのかもしれないが)、おまけアイテムとして付属する、ペダン星人の円盤の存在は、筆者のように名場面を再現するためにアイテムを使う立場としては、素直に嬉しかったりもするのである。

また、インストには「予備パーツ」としてしか書かれていないが、付属しているアンテナパーツは、これは良く見ると形状が違っていて、付け替えることで劇中ブロップのバージョン違いを再現できるというもので、こういう細やかな気配りは、インストの濃い内容と併せて、製作担当者の愛情をうかがい知れて、とても楽しかったりもするのだ。

筆者としては、出来ることであればこの流れで、セブン商品展開の波を作ってくれて、セブン宇宙人の円盤をシリーズでHG化してくれるとか、ステーションホークやハイドランジャーのマスプロアイテム化とかを希望したのではあるが、その後の結果は功罪併せて、今回ここまでこきおろしてしまった立場としては、かなえてもらえる願いも、かなえてはくれないだろうなと、苦笑するしかないのである(笑)

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事