ウルトラマンコスモス(ルナモード・コロナモード)
飯島敏宏監督が35年ぶりにメガホンを執ったウルトラの、劇場用映画を飾った21世紀初のウルトラマン、コスモスのルナとコロナの二つのモードは、2形態それぞれを3種類・計6体のアクションフィギュア、ソフビフィギュアを使用した。
まずはメインとなるアクションフィギュアは(これを作成したころにはまだULTRA-ACT版が発売されていなかったため)バンダイがコスモス放映当事の2001年に発売していた「ウルトラヒーローα」を使用した。
ウルトラヒーローαは、コスモス(ルナ・コロナ・エクリプス・スペースコロナ)の他に、ジャスティス、ティガ、ダイナ、ガイア、アグルなど、平成ウルトラマンを次々とアクションフィギュアで展開していた商品だが、2006年には劇場映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』関連商品として、商品仕様をブラッシュアップした昭和ウルトラ兄弟勢が、「ウルトラアクションヒーロー」として次々に発売されて、続く2008年の『超ウルトラ8兄弟』公開時ではウルトラヒーローαの平成三部作ヒーローも、改めてウルトラアクションヒーロー枠で再発売されるようになった。
後発のウルトラアクションヒーローと比較すると、足首可動の有無やプロポーションなど、まだまだ発展途上の域を出ていないウルトラヒーローαだが、音声ギミックや素材など、既に基本はこの時期に完成していた。
筆者などは特に「ソフビ怪獣と同じサイズの、可動ウルトラマンフィギュア」が大好物なので(笑)、コスモス当事から喜んで買い漁っていたので、多少採点が甘口になってしまうわけだが(笑)
今回はこのフィギュアを、無改造で撮影にメインで使用している。
ルナ・コロナ バンプレスト
次なるフィギュアは、バンダイ系列バンプレストが、コスモス公開の2001年にプライズで展開した「とるとるキャッチャー一番くじコレクション ウルトラマンシリーズ」の、限定モデル3等ウルトラマンコスモス・ルナモード・コロナモードである。
コスモスの場合(視聴者層に受け入れられたかどうかとは別に)異色だったのが、戦闘時のファイティングスタイルが、太極拳を取り入れたというものだった。
なのでコスモスは、ルナ・コロナ共に独特の構えで怪獣や宇宙人に相対するわけであり、アクションフィギュア(特に今回使用したウルトラヒーローα)では、それを表現するのが困難と判断した結果、バンダイソフビと同じサイズで、ポーズ固定の、このバンプレストのプライズフィギュアに登場してもらうことにした。
工場の関係か、今一歩完成品は成型が歪んでいてちゃんと立たせることは難しいが、そのポージングは(後述する)新ウルトラマンピコ版よりも大胆で躍動感があり、顔の造形も、バンダイウルトラヒーローシリーズよりも実物に似せられている。
このフィギュアに関わらず、バンプレストのプライズフィギュアの特徴として挙げられるのが「着想・発想の素晴らしさ」「マニアのツボを突くマイナーアイテムのセレクト」「親会社バンダイには出来ない、冒険的・野心的で独創的な商品仕様」などだが、同時に「どうしても企業体力やコスト、生産工場の質の問題から、最終的な完成商品が、試作段階の理想を実現できずに終わる」という結末をよく迎えてしまう。
筆者も、完全変形Vガンダムやウルトラマン対ゴモラ対決セットなど「こんな商品は、採算やコストの問題で絶対バンダイでは企画が通らないだろうけど、よくぞ実現してくれた」と感涙しながら手に入れた、バンプレストのプライズ品は多かったが、その多くが「パーツ同士がしっかりかみ合わない」「歪みがあって飾れない」「原型は良いのは分かるが、量産品にヒケが多すぎる」などなどの詰めの甘さが見え、このコスモスフィギュアも、上述したように自立が難しくて、撮影も苦労させられた。
今回はこのフィギュアを、主に決めポーズカットの演出に使用した。